トレッティオプラスとは?純正から間取り変更するメリット・デメリット
こんにちは、ゆうすけです。
今回は「トレッティオプラス」について詳しく解説します。
トレッティオプラスとは、トレッティオ純正から間取り変更を行った物件のことです。
規格化されているトレッティオの間取りを変更することで、シンプルで快適な暮らしの質をさらに高めることができます。
しかしその一方で、トレッティオプラスは純正よりも購入価格が高くなったり、売却時のリセールバリューが下がる可能性があります。
そのため、「間取り変更を行うべきかどうか」はメリットとデメリットを考えて、検討しなければいけません。
では具体的にどのようなメリット・デメリットがあるのでしょうか?
そこで今回は「トレッティオプラスのメリット・デメリット」について解説します。
こちらの記事を読むことで、以下のことが分かります。
トレッティオプラスとは
トレッティオは、30代子育て世代向けの規格住宅です。
規格住宅が人気を集める理由は、家づくりにかかる「時間」と「お金」を節約できるためです。
間取りやカラーバリエーション、インテリアの組み合わせで、自分たちの暮らしにフィットした家を安く、かんたんに建てることができます。
しかしその一方で、設計の自由度が低く、間取りの変更が行えないというデメリットもあります。
そこで規格住宅であるにも関わらず、トレッティオは設計の自由度を3段階に設計することで、間取り変更が可能な商品になっています。
トレッティオ純正・・カタログにある間取りや仕様で建てる物件
トレッティオプラス・・純正の仕口や仕様、ディテールを変更せず、間取りを変更した物件
派生物件・・トレッティオのコンセプトをもとに自由設計を行った物件
「間取り」という言葉は一般的に使われているので、変更するイメージができるのではないでしょう?
一方で、仕口・仕様・ディテールは建築用語のため、建築関係者でなければあまり聞きなれない言葉ですよね。
トレッティオプラスを検討されている方は、「プラスを派生物件の違い」を理解するために、仕口・仕様・ディテールという言葉の意味を理解しておきましょう。
仕口とは
仕口とは、構造部材である「柱」や「梁」などの2つ以上の部材を組み合わせる方法や接合部分のことです。
近年の住宅では、耐震性を高めるため、仕口部分に耐震金物(仕口ダンパーなど)をとりつけることが多いです。
仕様とは
仕様とは、構造や仕上げに使う材料の種類のことです。
見積もりでは、ビルダーが事前に決めた「標準仕様」をもとに、費用や仕上げの目安となる数値を計算することになります。
たとえばトレッティオの「外壁」の標準仕様は、次のようなものです。
ディテールとは
ディテールとは、部材と部材の接合部における「納まり」のことです。
たとえば、トレッティオバロの土間玄関では600㎜角のタイルが、横並びに2枚配置されています。
土間の横幅が1365㎜であるため、合計1200㎜のタイルを収めるには、165㎜の幅で目地を中央と両脇の3つ作ることになります。
目地が太すぎたり、遅すぎると印象が良くないため、適切な幅の目地を作る必要があります。
このような、小さな納まりのことをディテールと言います。
トレッティオプラスは純正から間取り変更をした物件
ここまでのトレッティオプラスについての説明をかんたんにまとめます。
トレッティオプラスとは
- トレッティオ純正から間取りを変更した物件。
- ただし、仕口・仕様・ディテールの変更はなし。
仕口とは
構造部材が2つ以上組み合わされる箇所の接合方法
仕様とは
構造や仕上げに使う材料の種類
ディテールとは
部材(構造部材以外も含む)の接合部における納まり
つまり、家をつくる仕組み(仕様や仕口)の変更は行わず、仕組みによって作られる形(間取り)だけを変更した物件のことを、「トレッティオプラス」といいます。
トレッティオプラスの間取り変更の実例
トレッティオプラスでは、住まい手の暮らし方に合わせた間取り変更ができます。
では具体的にどのような変更ができるのでしょうか?
弊社が設計・施工を行った「トレッティオグラード」の実例を用いて、間取り変更について詳しく解説します。
弊社が行った間取り変更の1つが、「2階トイレの追加」です。
家族4人が暮らす場合、どうしても朝の水回りは渋滞してしまいます。
たとえば、家族3人のときは1階トイレだけで十分だったけど、4人になると「トイレ待ち」が発生することも多いでしょう。
2階トイレがあれば、トイレ待ちが解消できて、さらに寝室から階段を降りなくてもトイレに行くことができます。
しかし2階トイレの設置をリフォームで行う場合には、配管や間取りの変更が必要になるため、多額な費用がかかります。
そのため、2階トイレを設置するならば、新築工事で間取り変更することがおすすめです。
規格住宅の多くは、コスト面を重視していて、1階トイレのみの間取りが多いです。
また間取り変更がまったくできない規格住宅では、新築でも2階トイレを設置することが難しいでしょう。
一方トレッティオプラスならば、弊社が行った実例のように、2階トイレを比較的安い費用で追加できます。
トレッティオ純正の間取りに満足できない方は、近くのビルダーに相談して、トレッティオプラスで間取りの変更を検討してみてください。
トレッティオプラスに該当するカスタマイズとは
トレッティオプラスは、仕口や仕様を変更せず、間取りを変更した物件のことですが、具体的にどのような変更内容が該当するのでしょうか?
ここでは、以下5つの変更について解説します。
2階トイレの追加
すでに実例で解説したように、トレッティオプラスでは2階トイレの設置が可能です。
たとえばグラードプラスとバロプラスでは、次のような位置に2階トイレを設置することができます。
トレッティオではタンクレスの温水洗浄便座が既製品として導入されるため、独立洗面器を近くに配置する必要があります。
とくに2階トイレでは近くに洗面所がないため、独立洗面器は必須です。
2階トイレを設置する場合、見積もり時で独立洗面器の費用が含まれていているかしっかりと確認してください。
玄関ポーチの追加
トレッティオプラスでは、玄関ポーチを追加することができます。
特に玄関ポーチがない「トレッティオグラード」では玄関ポーチを追加したいという方も多いでしょう。
玄関ポーチがあるメリットは、雨の日の汚れ落としの場所や宅配便置き場になることです。
一方玄関ポーチがあることで、駐車場が狭くなったり、見た目のスッキリした印象がなくなってしまうというデメリットも考えられます。
敷地の広さなども考慮して、玄関ポーチの追加を検討してみてください。
開口部の変更
トレッティオプラスでは、腰窓や掃出し窓など開口部の変更も可能です。
腰窓とは、腰の高さに窓台がある窓のことで、窓の手前にソファを置くことでスッキリとした印象を持たせることができます。
トレッティオグラードの場合には、南側の掃出し窓を腰窓に変更することができます。
また逆に北側の和室に、掃出し窓を設置することもできます。
窓などの開口部は家の断熱性能と深く関係しているため、むやみやたらに配置することはおすすめできません。
ビルダーの方に相談しながら、掃出し窓や腰窓の変更を検討してみてください。
窓から勝手口への変更
トレッティオプラスでは、開口部を勝手口に変更することができます。
勝手口のメリットは、家事を効率的にこなすことができるという点です。
たとえば敷地の外からアクセスしやすいキッチンの勝手口があれば、買い物の荷物の出し入れが楽になります。
また脱衣場に勝手口があれば、重たい洗濯物を2階のバルコニーまで運ばずに済みます。
しかし、最近の住宅では家事自体を少なくするための設備が増えているため、必ずしも勝手口が必要になるわけではありません。
トレッティオグラードの場合、次のように2箇所に勝手口を付けることができます。
「どのような家事動線を確保したいか」を考えて、勝手口の配置を検討してみてください。
屋根形状の変更
トレッティオプラスでは、屋根形状を変更することもできます。
次の表のようにトレッティオ純正では、屋根形状がスタイルごとに決められています。
しかし、敷地条件によっては屋根形状を変更しなければいけないこともあります。
たとえば積雪量の多い地域でフラット屋根にした場合、積雪荷重によって家がゆがむ可能性があるため、傾斜のある屋根にする必要があります。
また日射取得の多い敷地では、太陽光発電を設置した方が良いケースもあります。
つまり、屋根形状は地域や敷地条件によって適切な形が違います。
トレッティオは規格住宅であるため、すべての敷地条件にマッチした設計にはなっていません。
そこでトレッティオプラスで屋根形状を変更することで、より土地の特性に合わせた暮らしが実現できるのです。
トレッティオ純正の屋根を変更したい方は、どのような屋根形状が良いのか検討してみてください。
トレッティオプラスのデメリット
間取り変更をすることで、トレッティオ純正よりも自分たちらしい暮らしが実現できる「トレッティオプラス」ですが、デメリットもあります。
トレッティオは規格住宅として、設計の自由度を下げることで、家づくりにかかる時間やお金を節約することができる商品です。
しかしトレッティオプラスでは、間取り変更を行うことができます。
その代償として、以下3つのデメリットがあることを施主として理解しておく必要があります。
- 純正よりも建築費が高くなる
- デザイン性が損なわれる
- リセールバリューが下がる可能性がある
デメリット①純正よりも建築費が高くなる
トレッティオプラスで間取り変更をするということは、カスタマイズするということです。
現代にあるあらゆる商品は、カスタマイズによって費用が高くなります。
たとえば、クルマのカスタマイズやフルオーダーのスーツなどです。
住宅でもカスタマイズするほど、費用が高くなることは避けられません。
トレッティオの場合、一番安いのは「純正」、次に「プラス」、最後に「派生物件」というような順で建築費が高くなると考えてください。
デメリット②デザイン性が損なわれる
トレッティオプラスのデメリットの2つ目は、「デザイン性の低下」です。
トレッティオは、プロの建築家によって細部まで細かくデザインされた、1つの完成作品です。
施主は間取り変更を行うことによって、完成作品に自分の色を重ね塗りすることになります。
たとえばトレッティオグラードに玄関ポーチを付けた場合、シンプルな建物形状ではなくなりますが、家族によっては玄関まわりが使いやすくなるかもしれません。
新居に住むのは「建築家ではなく、施主」なので、施主としてデザイン性と使いやすいのバランスを考えて、トレッティオプラスを検討してみてください。
デメリット③リセールバリューが下がる可能性がある
トレッティオプラスのデメリットの3つ目は、「リセールバリューの低下」です。
リセールバリューとは、取得した財産を売却するときの価値のことです。
トレッティオはオンリーワンのデザイン住宅ではなく、誰でも住みやすいように設計された高性能住宅のため、注文住宅に比べてリセールバリューを高く保つことができます。
しかし、トレッティオプラスの場合は、住まい手のニーズに合わせて間取り変更を行っているため、純正に比べてリセールバリューが下がる可能性があります。
トレッティオプラスのメリット
トレッティオプラスのデメリットを聞いて、「トレッティオ純正でもいいかな?」と迷われるかもしれません。
しかし、家づくりはデザインや資産価値だけでは判断できません。
なぜなら、家とは本来「他人に見せびらかしたり、高く売るための商品ではなく、家族が快適に暮らすための道具」だからです。
トレッティオは規格住宅である以上、住まい手のニーズに100%マッチした道具にはなりえません。
そういった意味では、トレッティオプラスの間取り変更は、トレッティオという道具をより使いやすいものにするための工夫です。
実際にトレッティオプラスのメリットとして、次3つのことがあります。
- 家族構成に合わせた暮らしが実現できる
- 地域特性に合わせた暮らしが実現できる
- こだわることで愛着が強くなる
メリット①家族構成に合わせた暮らしが実現できる
トレッティオプラスの1つ目のメリットは、「家族構成に合わせた暮らしの実現」です。
トレッティオは30代の子育て世代向けにつくられた規格住宅で、純正プランで想定している家族構成は「夫婦と子ども2人」です。
しかし、一人っ子の場合や3人兄弟の場合には、子ども部屋が足りない可能性もあります。
規格住宅のほとんどは、費用やコストを抑えるために、間取りの変更ができないケースが多いでしょう。
しかしトレッティオは、規格住宅では珍しい「モノコック構造」とよばれる高耐震構造で建てるため、耐力壁ではない内壁や仕切りを自由に変更することができます。
つまり、規格住宅にも関わらず、間取り変更を比較的行いやすい構造のため、家族構成に合わせた家づくりができるのです。
メリット②地域特性に合わせた暮らしが実現できる
トレッティオプラスの2つ目のメリットは、「地域特性に合わせた暮らしの実現」です。
地域特性とは、気候や土地の形状などです。
日本には四季があり、地域によって建物の特徴が変わります。
たとえば、北海道・東北地域では高断熱・高気密で勾配のきつい屋根にしなければ快適な暮らしは実現できません。
また都会の住宅では、防音性やプライバシーを確保するような開口部にしなければ、家の中でくつろぐことができません。
一般的な規格住宅の場合、屋根や開口、間取りが規格化されているために、地域特性に対応した家づくりが難しく、注文住宅に比べると生活の質が下がることを避けられません。
しかしトレッティオの場合、屋根形状や開口位置の変更ができる「プラス」で、地域特性に合わせて暮らしが実現することができます。
メリット③こだわることで愛着が強くなる
トレッティオプラスのメリットの3つ目は「愛着」です。
人の愛着心は、手間をかけたり、自分の意思を反映することで形成されます。
そういう意味では、施主としてのこだわりを反映しずらい規格住宅は、愛着が持てないという方もいます。
しかしトレッティオプラスの場合には、規格住宅でありながら、施主のニーズに合わせた間取り変更ができます。
愛着のあるものほど、長く使いづづけられるため、結果的にコスパの良い買い物になることも多いでしょう。
トレッティオ純正では満足できず、施主として愛着の持てる家づくりをしたい方は、トレッティオプラスを検討してみてください。
まとめ
今回は、「トレッティオプラス」について解説しました。
こちらの記事の内容をかんたんにまとめます。
トレッティオプラスとは
トレッティオ純正から間取りを変更した物件。ただし、仕口・仕様・ディテールの変更はなし。
仕口とは
構造部材が2つ以上組み合わされる箇所の接合方法
仕様とは
構造や仕上げに使う材料の種類
ディテールとは
部材(構造部材以外も含む)の接合部における納まり
トレッティオプラスのカスタマイズ例
- 2階トイレの追加
- 玄関ポーチの追加
- 腰窓から掃出し窓への変更
- 窓から勝手口への変更
- 屋根形状の変更
純正からトレッティオプラスにするデメリット
- 純正よりも建築費が高くなる
- デザイン性が損なわれる
- リセールバリューが下がる可能性がある
純正からトレッティオプラスにするメリット
- 家族構成に合わせた暮らしが実現できる
- 地域特性に合わせた暮らしが実現できる
- こだわることで愛着が強くなる
では今日はこの辺で!