住宅展示場で見るべきポイントを元ハウスメーカー現場監督が徹底解説(広島県福山市版)
ブログ記事が動画になりました!
(※ブログ記事の内容を家づくりコンシェルジュが動画で分かりやすく解説しています。ぜひ、こちらの動画でご覧ください)
- 住宅展示場で見るポイントが知りたい!
- 住宅展示場の見学で必要な持ち物はある?
- 住宅展示場で注意すべき点は?
家を建てようと考えている人が、情報収集に利用するもののひとつに住宅展示場があります。
しかし何も考えずにただ住宅展示場に行っても、何を見たらよいのかわからず、収穫がないまま帰宅するはめになってしまうでしょう。
住宅展示場での時間を有意義に過ごすためには、見るべきポイントをしっかりと押さえることが大事です。
そこで本記事では、元ハウスメーカー現場監督が住宅展示場で見るポイントを解説します。
住宅展示場を知りつくしているからこそ、おすすめしたい「完成見学会」についても解説しているので、ぜひ参考にしてください。
最後までお読みいただければ、「行ったけどよくわからなかった」「住宅展示場は時間の無駄だった」などの失敗を防げますよ。
なぜ「住宅展示場に行ってはいけない」と言われるのか?
家を建てようと思ったときに、最初に住宅展示場に行ってはいけないと言われるのは、住まいづくりに関する知識が少ない状態だからです。
モデルハウスを見ていると、夢や憧れが詰まった素敵な家を「そっくりそのまま自分も建てたい!」となってしまいますが、多くの場合、現実的に建てられる規模や予算ではありません。
憧れや理想の家を見せたほうがお客さまに刺さりやすいため、モデルハウスに設置してある設備は標準仕様よりもグレードが高かったり、オプションを付けたりして豪華にしています。
また、一度建てたモデルハウスは10年以上展示されることが多いので、古い建物を見ても現在の施工の流行りなどはあまり参考にはなりません。
「住宅展示場に行ってはいけない」というよりは、「住宅展示場に行っても得られるものが少ない人がいる」ということです。
たとえば住宅展示場よりも現実的に住みたいと思える規模感などを体験するなら、完成見学会のほうがおすすめですよ。
一方で「どんな住宅会社があるか知りたいな」と考えているなら、住宅展示場へ行っても損ではありません。
住宅展示場では複数のモデルハウスを一度に見学できるので、どのような住宅会社があるのかや、各社の特徴もわかりやすいです。
住宅展示場に行く場合は、そこで家づくりについてすべて決めてしまうのではなく、基本的なことを学んだり基礎を作る場所と考えるのがよいでしょう。
住宅のプロが住宅展示場よりもおすすめする「完成見学会」とは?
完成見学会とは、オーナーが建てた家を期間限定で見せてもらえるもので、オープンハウスとも呼ばれています。
複数の住宅会社が集まる住宅展示場では、窓の外を見ても他のメーカーのモデルハウスが建っているだけなので、立地状況や環境は想像しにくいですよね。
完成見学会はその場所に住む人が建てているので、住環境や窓からの景色などがリアルに体験できます。
オーナーの家族構成やライフスタイルなどが反映されているので、参考になる部分も多いでしょう。
完成見学会は住宅会社の公式サイト、SNS、ポータルサイトなどで告知されており、完全予約制または予約優先が一般的です。
家づくりを検討していて、建設中の気になる家を見つけたら、住宅会社やハウスメーカーが完成見学会の参加者を募集していないか確認してみましょう。
ぜひ弊社が開催している完成見学会も、こちらから覗いてみてください。
住宅展示場や完成見学会で見るべき7つのポイント
現実的な住まいづくりには住宅展示場よりも完成見学会をおすすめします。
ですが「近くで完成見学会を行っていない」「とりあえず家づくりの第一歩を踏み出したい」という場合は、住宅展示場に行ってみるのがよいでしょう。
住宅展示場も完成見学会も、見るポイントは同じです。
ここでは、住宅展示場や完成見学会で見るべきポイントを7つにまとめたので、それぞれを詳しく解説しますね。
- ポイント①部屋の広さや天井の高さ、レイアウトを確認する
- ポイント②どんな家を作るメーカーなのかをチェックする
- ポイント③生活動線について質問する
- ポイント④収納の種類や広さをイメージする
- ポイント⑤自社製品の現物の情報を引き出す
- ポイント⑥標準仕様とオプション・グレード仕様の違いを確認する
- ポイント⑦営業担当者の人柄や相性をチェックする
ポイント①部屋の広さや天井の高さ、レイアウトを確認する
インターネットには各ハウスメーカーの間取りや図面などが公開されていることもあるので、数字の把握は容易に行えます。
とはいえ、「18畳のLDK」といわれても、実際のサイズ感はなかなか掴みにくいですよね。
たとえばこちらは、モデルハウスの住宅ではありませんが、18畳のLDKの写真です。
ルームツアー動画で紹介しているように、大きな窓と吹き抜け、リビング階段などの工夫で、実際にお家を見てみると、写真より広く感じられるでしょう。
数字や写真だけではわからない、実際の広さや高さをどう感じるかが住宅展示場で見るべきポイントです。
特に、床から天井の高さは住宅会社によって標準仕様が異なるため、必ず確認してくださいね。
ただ単に「広い、狭い」ではなく、担当者に何畳なのか聞いて、自分が家を建てるならその広さが必要なのかも考えましょう。
テレビやソファーなどのレイアウトを考えながら見学すると、「18畳では思ったほど物が置けない」「家族が少ないから12畳でも十分」など、自分たちが実際に住んだときの想像がしやすくなりますよ。
住宅展示場では広さや高さを体感しながら、リアルな暮らしをイメージしましょう。
ポイント②どんな家を作る住宅会社なのかをチェックする
デザインや内装、外観、空間の使い方などは、住宅会社の個性や特徴が出ます。
住宅展示場では、自分の好みと住宅会社が得意としていることがマッチしているかをチェックしましょう。
たとえばヨーロピアンを得意としているメーカーに古民家風の家を依頼するよりも、古民家風の家づくりが得意なメーカーに依頼するほうが、自身の希望を叶えやすくなります。
内装に使われているクロスのテイストや外壁が塗り壁なのか、サイディングなのかなど、デザインや使われている素材によって見た目は大きく変わりますよね。
下記の2つの事例のように、窓は、大きさや配置によって雰囲気が変わります。
418BASE事例より▼
418BASE事例より(2)▼
海が好きで海の近くに家を建てても、窓の大きさや配置によっては景色に不満を持ってしまうかもしれませんね。
住宅展示場へ行った際に、どんな家を建てるメーカーなのか、把握しておくことが大事ですよ。
ポイント③生活動線について質問する
想像上の理想を実現した家を建てても、実際に生活したときに不便を感じてしまっては本末転倒ですね。
玄関からキッチンまでは何歩でいけるか、リビングとトイレの距離感などの生活導線も、住宅展示場で見るべきポイントです。
たとえば、玄関からキッチンまでが遠いと、買い物から帰ってきてから面倒ですよね。
一方で、リビングとトイレが近すぎると落ち着かない人もいれば、近いほうが便利に感じる人もいるでしょう。
来客が多いご家庭の場合、その家で生活をする人の目線だけではなく、来客の立場になって間取りなどを見てみるのもおすすめです。
ただし、モデルハウスは一般的な住宅よりも広いので、動線は長くなる傾向にあります。
担当者に、実際に建てたときの動線の計画について尋ねながら見学すると、実現可能な広さで建てた場合のイメージもしやすくなるでしょう。
家で暮らす人が快適に過ごすための動線を考えることは、建てた家への満足度に直結します。
住宅展示場を見学する際は生活導線を意識して、ストレスフリーな家づくりに役立てましょう。
ポイント④収納の種類や広さをイメージする
住宅の購入時に収納を重視する人は多くはありませんが、入居後に「もっとこうすればよかった」と後悔しやすい点になります。
後悔を減らすために、住宅展示場では今現在住んでいる家の持ち物をしまうとしたら、どこにしまうのかをイメージしながら見学するのがおすすめです。
たとえば、こちらは弊社418BASEのルームツアーで紹介した玄関収納です。
ホコリが気になる人におすすめの建具型収納で、約64足も収納でき、さらに0.75畳の収納が横にあります。
暮らし以外にも、スノーボードやサーフィンなど特別な趣味がある人は、「丈の長いものを収納できるスペース」「出し入れのしやすさ」など収納のサイズに注意が必要ですね。
小さなお子さんがいる場合、お子さんが今後成長したときに今の収納で足りるのかも考えたいポイントです。
小さいうちは、大きなクローゼットで洋服を一括管理するのが便利ですが、大きくなったときに自分の部屋にクローゼットがない(小さすぎる)のは不便と感じるかもしれません。
暮らしや趣味、家族構成などから収納の数やサイズ感を考えて住宅展示場を見学しましょう。
ポイント⑤自社製品の現物の情報を引き出す
ハウスメーカーによって工法や性能が異なるため、断熱性や気密性などに違いがあります。
独自の建築技法により夏は涼しく冬は暖かい家であれば、実際に暑い日にモデルハウスに入ってみて、エアコンをつけていないのに涼しいといった体験ができるのも住宅展示場のよさです。
また、工法や性能だけではなく、自社オリジナルの製品や設備などを販売・施工しているメーカーも多いので、実物を見てメリット・デメリットを把握しておきましょう。
ネットには落ちていない情報を担当者から聞き出し、住宅会社やハウスメーカーを決めるときの判断材料にすることが大事です。
ポイント⑥標準仕様とオプション・グレード仕様の違いを確認する
住宅展示場のモデルハウスはハイグレードになっているケースが多いので、同じ仕様で契約をすると思いのほか費用が高くなってしまいます。
特に水回りは、商品のタイプや同じラインのなかでも金額の差がありますよ。
住宅展示場を見学した段階で、追加オプションやグレードアップを担当者に確認し、標準仕様の場合はどのようなタイプになるのか、価格はどのくらい変わるのかなどを確認することが大切です。
ポイント⑦営業担当者の人柄や相性をチェックする
住宅展示場では、最初の担当者がその後の打ち合わせや契約、住宅購入後のアフターフォローまで担当するのが一般的です。
理想の家を建てているメーカーと契約さえすれば、担当者の人柄などは関係ないと思うかもしれませんが、実はとても重要なので必ずチェックしてください。
その理由は、担当者によって住宅の知識やセンスなどに違いがあるからです。
せっかくメーカーが優秀な技術を持っていても、自社のメリットを生かしきれない担当者が残念ながら存在します。
また、いくら知識に長けていても、マナーや常識に欠けている人は信頼できませんよね。
家は建てて終わりではなく、建ててからも担当者とは長い付き合いになります。
担当者に不安や不満があるときは、早い段階で担当者を変更してもらうのがよいでしょう。
事前準備が大事!住宅展示場の見学に必要な持ち物を紹介
- 筆記用具
- メジャー
- カメラ
- 大きめのバッグ
目視だけでは記憶が曖昧になるので、家具を置きたい場所やキッチンカウンターの高さ、収納の幅や奥行きなどをメジャーで測り、ノートなどに書き残しておくのがよいでしょう。
担当者からの情報もメモしておけば、自宅に帰ってからゆっくりと考えられますよね。
カメラ(スマホで代用も可能)があると、気になったデザインやアイデアなどを写真に収めておけます。
ただし住宅会社によっては無断撮影禁止、そもそも撮影NGのところがあるので、撮影するときは必ず担当者から許可を得るようにしましょう。
大きめのバッグは、住宅展示場内のモデルハウスを複数回るときに役立ちますよ。
メーカーのパンフレットは大きく、かさばるものが多いので、見て回ったメーカーすべてのパンフレットを持ち帰る場合は大きいバッグを用意していきましょう。
【当日の流れ】住宅展示場の基本の回り方を解説
住宅展示場でかかる時間は、何を目的に行くのかによって変わります。
とりあえずどのような住宅会社やメーカーがあるのかを知りたいだけなら、30分もあれば十分です。
案内所で受付を済ませてから、紹介してもらったメーカーや目についたモデルハウスを訪れてみましょう。
モデルハウス内には各メーカーの担当者がいますが、次の見学に行きますと伝えれば、特に打ち合わせなどに応じる必要はありません。
担当者から説明を受けたいのであれば1時間以上、着座して方向性を含めた具体的な話し合いを希望するなら2〜3時間以上かかります。
小さなお子さんがいる場合は、初回で1社あたり2〜3時間も打ち合わせの場を設けてしまうと、疲れてぐずったりと十分な話し合いができない可能性がありますよね。
そこでまずは、30分でざっと見ることから始めてみましょう。
次に行くときは、気になったメーカーを数社に絞って担当者から話を聞き、最終的に1〜2社に厳選してじっくりと話し合うという流れがおすすめです。
住宅展示場の見学で注意すべき3つのこと
住宅展示場は今すぐに家を建てるわけではなくても、誰でも気軽に訪れて構いません。
しかし、遊びに行く感覚で訪れても収穫は得られないでしょう。
せっかく足を運ぶのですから、今後の家づくりに生かしたいですよね。
そこでここでは、住宅展示場の見学で注意すべき3つのことをご紹介します。
注意点①行く目的がないと意味がない
モデルハウスを見るだけでも何かしら学びとして得られますが、家を建てる前提であればそれでは足りません。
下記のように、住宅展示場へは目的を持って見に行きましょう。
- 間取りを参考にしたい
- イメージしている家を建てるためのおおよその予算を知りたい
- 持っている土地の活用方法を聞きたい
- 性能や製品について詳しく知りたい
- 住宅ローンについて相談したい
冷やかしで来場した人と、真剣に家づくりを考えている人では、メーカー側の対応も変わってくるでしょう。
具体的な質問をすることで、担当者からも的確な返答が得られるので、何度も足を運ぶ手間が省けて効率よく見学ができます。
より詳しく話をしたい、その住宅会社の家づくりを見てみたいのであれば、完成見学会や相談会、店舗へと足を運んでみましょう。
注意点②訪問するタイミングで満足度が下がる可能性がある
土日はイベントが開催されているため、ゆっくりと見て回りたい場合は希望が叶わずに不満を感じてしまうでしょう。
落ち着いた状況でモデルハウスを見学するなら、平日の訪問がおすすめです。
なお、住宅展示場は予約がなくても入れます。
ただし、定休日を設けていたり、いきなり行っても担当者が常駐していないケースもあります。
必要な説明を受けながら確実に見て回るなら、あらかじめ予約をしておきましょう。
注意点③住宅営業のペースにはまってしまう
住宅展示場に行った際、お客さまが一番避けたいのは、住宅営業の営業トークにつかまって時間がなくなってしまうことではないでしょうか。
セールストークを断れるか不安で、住宅展示場に行きづらいと感じる人も多いですよね。
住宅展示場の見学の際は、着座を促す言葉に注意しましょう。
いくら注意していても、着座してもらうと契約率が上がるので、「こちらで座って」「まずはこちらで〜」など、担当者はできるだけ座ってもらえるように自然に誘導してきます。
着座を促されたときに断るのが難しいという場合は、最初に「30分しか時間がありません」「他にも数社回る予定です」と告げておくと無理強いされることはありません。
もし見学をして、自分から聞きたいことがあれば、そのタイミングで「もう少し詳しい話を聞かせてほしい」と申し出るのがいいでしょう。
見学や話を聞く=契約ではないので、安心してくださいね。
スケジュールを伝え、しっかりと住宅営業マンに調整をしてもらうことがポイントです。
ぜひ新築注文ブランド「418BASE」の完成見学会にお越しください!
418BASEは広島県福山市・府中市・三原市・世羅町を中心に、備後地方の家づくりをサポートする会社です。
これまで地域の方々からたくさんのご支持をいただき、創業から50年以上を迎えることができました。
418BASEでは、高気密・高断熱の注文住宅の設計・施工を行っており、最新設備を取り揃えたモデルハウスも公開しています。
備後地方で家づくりを検討されている方は、ぜひ418BASEへご気軽にご相談ください。
まとめ
住宅展示場や完成見学会を見るポイントや回り方、注意すべき点を解説しました。
最後にこの記事をまとめます。
- 現実的に建てる家を見るなら、住宅展示場よりも完成見学会がおすすめ
- 部屋の広さやレイアウトを確認し、内装や外観などからどんな家作りが得意な住宅会社なのかを考える
- 生活動線を自社製品などについて質問し、担当者から引き出した計画や情報などを含めて筆記用具やメジャーを使いメモしておく
- 実際の使い勝手などを踏まえて収納をチェックし、標準仕様とオプション、グレードの違いを把握する
- 営業担当者の人柄や相性を確認する
- ゆっくりと見学するなら平日に行き、目的に応じて30分~3時間ほど予定を考えておく
住宅展示場は家づくりの基本を押さえるために行き、完成見学会は現実的な家づくりの情報を得るために行くのがおすすめです。
住宅展示場や完成見学会で得た知識を、理想の住まいづくりにぜひ生かしてみましょう。