新築のシックハウス症候群とは?原因や症状・対策方法を解説
こんちには、ゆうすけです。
今回は「新築のシックハウス症候群」について解説します。
新築住宅の購入を検討するとき、「シックハウス症候群」という言葉を一度は耳にしたことがあるのではないでしょうか?
シックハウス症候群とは、1つの疾患ではなく、住まいに関わる健康障害の総称のことです。
シックハウス症候群を発症すると、さまざまな化学物質に対して過敏な体質になり、思わぬところで体調をくずすことになります。
そこで、こちらの記事では「健康的な新居生活をスタートさせたい方」向けに、シックハウス症候群の原因と対策について徹底解説します。
こちらの記事を読むことで、次のことが分かります。
シックハウス症候群とは
「シックハウス症候群」とは、医学的に確立した1つの疾患ではなく、住まいに由来する健康障害の総称を意味する用語です。
ちなみに厚生労働省による「シックハウス症候群」の定義は、以下のようになっています。
近年、住宅の高気密化などが進むに従って、建材等から発生する化学物質などによる室内空気汚染等と、それによる健康影響が指摘され、「シックハウス症候群」と呼ばれています。
その症状は、目がチカチカする、鼻水、のどの乾燥、吐き気、頭痛、湿疹など人によってさまざまです。
ちなみにシックハウス症候群は和製英語で、欧米では同様の症状「シックビルディング症候群(シックビル症候群)」と呼ばれています。
新築でシックハウス症候群を引き起こす原因とは
新築住宅やリフォーム後の住宅で、シックハウス症候群が起きる原因はおもに2つです。
- 化学物質によるもの
- カビ・ダニによるもの
原因①化学物質によるシックハウス症候群
シックハウス症候群を引き起こす原因の1つ目は、「化学物質」です。
日本では室内中の化学物質による健康被害を防ぐために、厚生労働省によって13種類の室内化学物質の濃度指標値が示されています。
具体的には、次のような揮発性の化学物質です。
※参照:厚生労働省「シックハウス(室内空気汚染)問題に関する検討会/中間報告書」
ただし、シックハウス症候群はいまだ未解明なことが多く、この室内濃度指標値は「有害な健康被害が生じないであろう」と判断された値でしかありません。
つまり、現時点ではシックハウス症候群を予防するための絶対的な指標はなく、今後の新しい知見や国際的な評価報告によって、指標の改定が行われていくと考えられます。
原因②カビ・ダニによるシックハウス症候群
シックハウス症候群を引き起こす原因の2つ目は、「カビ・ダニ」です。
カビやダニは湿気の高い場所で繁殖しやすく、日本では梅雨から初夏が一番注意しなければいけない時期です。
繁殖したカビの胞子を吸い続けることで、アレルギー症状やからだのたるみ症状などの健康障害を引き起こします。
またダニが大量に繁殖したソファやじゅうたん、畳に長時間触れることで、虫さされのようなかゆみを引き起こします。
このような健康障害が、カビ・ダニによるシックハウス症候群です。
新築のシックハウス症候群で起きる症状
シックハウス症候群は、体のさまざまな箇所で起きる健康障害です。
たとえば自宅や会社などの室内環境から離れて、症状が軽くなったり消えたりする場合には、自宅や会社の室内環境に原因があるかもしれません。
次のような症状が、日常的に引き起こされる場合にはシックハウス症候群の可能性があります。
- 全身の症状:めまい、吐き気、嘔吐、頭痛、疲れやすい、皮膚の紅斑、じんましん、湿疹、かさかさ
- 鼻:刺激感、乾燥、鼻水
- 目:チカチカする、涙目
- 口:唇の乾燥、せき、
- のど:のどの乾燥
新築でシックハウス症候群にならないための対策
新築を建てるとき、「高気密・高断熱住宅にしたい」と思う方も多いでしょう。
高気密・高断熱の新築住宅を建てることで、賃貸暮らしでは実現できなかった「冬暖かく夏涼しい快適な暮らし」を実現することができます。
一方で、住宅の気密性を高めることが、「シックハウス症候群」の間接的な原因になることも事実です。
では高性能住宅でシックハウス症候群を引き起こさないためには、どのような対策をすべきでしょうか?
ここでは具体的な5つの対策を解説します。
- 換気性能の優れた家を建てる
- 化学物質を含まない材料を選ぶ(自然素材など)
- 24時間換気システムを止めない
- 入居前や入居後の数ヶ月間は換気を頻繁に行う
- 芳香剤や消臭剤、殺虫剤の使用を避け、空気清浄機を置く
対策①換気性能の優れた家を建てる
シックハウス症候群の対策の1つ目は、「換気性能の優れた家を建てる」ことです。
「換気」と聞くと、「窓をあけて空気を入れ替える」ことを想像するかもしれません。
しかし、これは通風と呼ばれる自然換気の1つにすぎません。
建物の換気には、自然換気の以外に「機械換気」と呼ばれる換気システムがあります。
機械換気は言葉のとおりダクトやファンなどの機械によって、換気を行う仕組みのことです。
機械換気には第1種から第3種までの3種類の仕組みがあり、住宅では第1種換気または第3種換気がおもに用いられます。
住宅の換気性能を大きく左右するのは、「気密性能」と「換気システムの性能」です。
次のイメージ図のように、気密性能が低い家では換気システムがうまく機能しません。
逆に高い気密性能があれば、わずかな電気代で常に新鮮な空気を取り込むことができるのです。
つまり、換気性能の高い家を建てるためには、「高い気密性能」と「計画的な換気システム」が必要になるということです。
ただし、気密や換気システムは性能を高めるほど費用も高くなるので、家づくりの予算と照らし合わせながら計画する必要があります。
対策②化学物質を含まない材料を選ぶ(自然素材など)
シックハウス症候群の2つ目の対策は、「化学物質を含まない材料を選ぶ」ことです。
シックハウス症候群の原因となる化学物質は、以下のような建材の接着剤や塗料に多く含まれています。
- 合板・・・ホルムアルデヒド
- 壁紙・・・ホルムアルデヒド
- 内装材・・・トルエン、キシレン、エチルベンゼン
- 塗料・・・トルエン、キシレン、エチルベンゼン、フタル酸ジ‐n‐ブチル、テトラデカン
- 家具・・・トルエン、キシレン、エチルベンゼン、
- 防蟻剤・・・クロルピリホス、フェノブカルブ
- 合成ゴム・・・スチレン
- ポリエチレン樹脂・・・スチレン
合板や壁紙クロスなどの安価な建材は、建設コストを下げることができる材料です。
しかし同時に化学物質が多く含まれるため、シックハウス症候群などの健康障害を引き起こしやすくなります。
小さなお子さんがいる家庭やアレルギー体質な方がいる家庭で新築住宅を計画する場合、無垢材や漆喰など自然素材を使った家がおすすめです。
新築に入居してシックハウス症候群が発症すると、さまざまな化学物質に対して過敏になり、体調をくずすこともあります。
新生活を快適にスタートさせるためにも、家づくりは健康第一で進めましょう。
対策③24時間換気システムを止めない
シックハウス症候群の3つ目の対策は、「24時間換気システムを止めない」ことです。
24時間換気システムとは、常に新鮮な空気を室内に取り込み、空気を循環させる設備のことです。
かつては24時間換気システムの設置義務がありませんでした。
しかし、住宅の高気密化が進み、シックハウス症候群の発生件数が増加したことで2003年に建築基準法が改正されて、24時間換気システムの設置が義務化されました。
24時間換気システムは特別な理由がない限り、つねに稼働させるべき設備です。
「電気代がもったいない」と節約する気持ちも分かりますが、換気システムを止めることによって起きる健康リスクの方が、高くつくことになりかねません。
「新築を建てたら、24時間換気を止めない」ことをおすすめします。
対策④入居前や入居後の数ヶ月間は換気を頻繁に行う
シックハウス症候群の4つ目の対策は、「入居前と入居直後の換気」です。
シックハウス症候群となる化学物質は、新しい建材に多く含まれており、時間の経過とともに徐々に放出量が減少していきます。
なので、新築戸建てを購入したときは、入居前にできるだけ換気を行いましょう。
また入居後も化学物質の濃度が下がるまでの数カ月間は、「1時間に1回程度」の通風による自然換気を行いましょう。
対策⑤芳香剤や消臭剤、殺虫剤の使用を避け、空気清浄機を置く
新築でシックハウス症候群の原因になる化学物質は、なにも建材や家具だけではありません。
たとえば次のような日用品にも、揮発性の高い化学物質が含まれています。
- タバコ
- 芳香剤や消臭剤
- アロマキャンドル
- スプレー式殺虫剤
- 防虫剤
なのでこれらの日用品は、必要以上に使用することを避けましょう。
もしお部屋の匂いが気になる方は、空気清浄機を置くことをおすすめします。
広島県福山市で新築のシックハウス症候群が心配な方は昇高建設へ
昇高建設は、広島県福山市・府中市・三原市・世羅町を中心に、備後地方の家づくりをサポートを行っています。
これまで地域の方にたくさんのご支持をいただき、創業から50年以上を向けました。
昇高建設では、換気性能の高い「高性能住宅」の設計・施工を行っています。
備後地方で「シックハウス症候群にならない高性能住宅を建てたい方」は、ぜひ一度昇高弘典建設の最新モデルハウスを体験してみてください。
まとめ
今回は、「新築のシックハウス症候群」について、原因と対策を徹底解説しました。
こちらの記事をかんたんにまとめます。
シックハウス症候群とは
医学的に確立した1つの疾患ではなく、住まいに由来する健康障害の総称を意味する用語
シックハウス症候群の原因
- 化学物質によるもの
- カビ・ダニによるもの
シックハウス症候群の症状とは
- 全身の症状:めまい、吐き気、嘔吐、頭痛、疲れやすい、皮膚の紅斑、じんましん、湿疹、かさかさ
- 鼻:刺激感、乾燥、鼻水
- 目:チカチカする、涙目
- 口:唇の乾燥、せき、
- のど:のどの乾燥
新築でシックハウス症候群にならないための対策
- 換気性能の優れた家を建てる
- 化学物質を含まない材料を選ぶ(自然素材など)
- 24時間換気システムを止めない
- 入居前や入居後の数ヶ月間は換気を頻繁に行う
- 芳香剤や消臭剤、殺虫剤の使用を避け、空気清浄機を置く