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(※ブログ記事の内容を家づくりコンシェルジュが動画で分かりやすく解説しています。ぜひ、こちらの動画でご覧ください)
家づくりを考える中で、「土地代を含めると新築は難しいかもしれない…」と感じる人もいますよね。
しかし実際には、親の土地を活用して家を建てるケースもとても多く、土地代を抑えられる分住宅ローンにゆとりが生まれ、理想の間取りや設備を実現しやすくなるメリットがあります。
ただし、そこで必ず検討する必要があるのが「土地をどのように分けるか」という点です。
土地の扱いは、「今」だけの話しではなく、相続・税金・売却・将来の家族構成など長期的な影響が出るため、適切な方法で手続きを進めることが大切ですよ。
この記事では、土地の分筆と分割の違い、分筆を選ぶべきケースや手続きの流れ・費用の内訳についてわかりやすくまとめています。
最後まで読んでいただければ、親の土地に家を建てるときに必要な手続きや、最適な土地の分け方がわかるようになるので、一緒に学んでいきましょう。

「分筆」と「分割」は、どちらも土地を複数に分けることですが、登記が必要かどうかによって手続きの内容や土地の法的な扱いが異なります。
そのため、分筆と分割の違いを正しく理解していないと、ローン申請や建築確認、相続や売買といった場面で、思わぬトラブルにつながることがありますよ。
特に親の土地に新築を建てる場合は、分筆と分割の違いをしっかり把握しておくことが重要です。
ここからは、「分筆」と「分割」について詳しく見ていきましょう。

「筆(ヒツ)」とは、土地を数える単位で、1つの土地(一筆)を複数に分けることを「分筆」といいます。
分筆を行うと、分けた土地ごとに新たに登記され、それぞれを独立した土地として法的に扱われますよ。
分筆には測量や境界確定・図面作成などの専門知識が必要になるため、土地家屋調査士に依頼して進めるのが一般的です。
分筆のおおまかな流れは次の通りです。
土地の分筆にかかる期間は、境界が明確であれば1~3カ月程度、隣地との境界が不明確な場合は、2~5カ月ほどです。
隣地所有者との境界確認がスムーズに進まないケースでは、1年以上かかることもありますよ。
また、分筆には測量費や登記費用など、専門家への依頼に伴う費用がかかる点も押さえておきましょう。
分筆にかかる費用の相場については、記事の後半で詳しく解説しているので、あわせてチェックしてみてください。

「分割」とは、建築基準法の確認申請のために行う土地の線引きで、登記簿を変えることはなく、土地はひとつのままです。
建築基準法では、幅4m以上の道路に土地が2m以上接していないと家が建てられないと定められており、建築計画が法令に適合しているかを確認するのが確認申請です。
確認申請が承認されないと建築ができないため、設計士が建築計画に合わせて必要な寸法で線引きを行い、土地を分割します。
たとえば、接道が4mで奥に実家が建っている土地では、実家に行くための2m以上幅がある通り道を残して分割すると、将来2軒とも建て替えが可能です。
分割は確認申請に必要な図面上の線引きなので、それ以外に使うことはなく、費用が発生することもありません。

親の土地に家を建てる場合、住宅ローンや将来の相続を考えると、分筆が必要になるケースがあります。
ほかにも分筆は、土地を売りたいときや地目を変えたいとき、共有名義の土地を整理したいときなど、暮らしや資産管理のさまざまな場面で関わってきます。
親の土地に家を建てる予定がある人はもちろん、土地を所有していれば誰にでも起こり得る可能性があるのが手続きなのですよ。
ここからは、どんなケースで分筆が必要になるのかを、代表的な5つのパターンにわけて詳しく紹介します。
住宅ローンを利用して新築する場合、金融機関は建物だけでなく「土地」も含めて担保にするのが一般的です。
親の土地を分割しただけでは、登記上はひとつの土地のままなので、ローンを組むと自分が建てる家だけでなく、親の家や敷地全体が担保に含まれてしまいます。

極端な例をあげれば、ローンの返済が滞った場合に影響を受けるのは、自分の家だけでなく、親の家や土地にまで及ぶ可能性があるということですね。
こうしたリスクを避けるためには、家を建てる部分を分筆して親の土地から切り離し、自分名義の土地として登記することが必要です。

あらかじめ分筆しておけば、土地の所有権や担保範囲が明確になるので、親に迷惑をかける心配もなく、安心して家づくりを進められます。
兄弟で親の土地を相続するときに、同じ考えだったり、仲が良ければ何のトラブルもないでしょう。

ですが、将来のライフスタイルや考え方の違いによって、揉めることもありますよね。
親が存命のうちに分筆しておけば、相続時の分け方が明確になり、各相続人が自分の土地を自由に売却したり、建て替えたりできるようになります。
また、先程の住宅ローンを組むケースと同様に、分筆した土地を生前贈与してもらっておけば、親が亡くなったあともこれまでどおり安心して住み続けられます。
一方、単に土地を分割しているだけの状態では、相続が発生したときに思わぬトラブルにつながることがあるので注意しましょう。
たとえば、親の土地を分割して兄が新築して暮らしていたとしても、弟が相続で親の土地全体を取得することもあります。

その場合、弟が「土地を売却したいから退去してほしい」と言えば、兄は実際に住んでいても法的には従わなければなりません。

親子間で賃貸借契約をしていれば、借主が了承しないなら出なくてもいいのですが、相続人と再度契約を結べるとは限りませんよね。
いずれにせよ事前に分筆をしておいて、生前贈与や遺言を残してもらうなどで相続トラブルを防ぐことができます。
土地の一部分だけを売りたい場合は、売却する部分の分筆が必要になります。
分筆していない状態では、売買契約そのものは成立するものの、登記簿を分けられないために買主名義へ変更できないという問題が生じます。
登記ができないと、買主は住宅ローンが組めなかったり、将来の売却で不利になるため、大きなデメリットになるでしょう。
さらに、境界が曖昧なままだと「どこまでが自分の土地か」が後々のトラブルにつながることもあり、売主・買主双方にとってリスクが大きい状態となります。
売りたい部分を「独立した土地」として分筆しておけば、境界が明確になり、所有権移転やローンの担保設定などの手続きがスムーズに進みますよ。
土地の一部だけ地目を変更したい場合には、その部分を独立した土地として扱う必要があるため、分筆が必要になります。
地目とは、宅地・畑・山林など土地の用途を示す法的な区分で、地目によって評価額や固定資産税が変わります。
一般的には、宅地がもっとも高く、雑種他、山林・田畑の順に安くなる傾向があります。
そのため、宅地の一部を分筆して畑や山林に地目を変更すると、固定資産税を抑えられる場合がありますよ。
また、地目が宅地のままでも、分筆して複数筆にすることで評価額が下がり、税負担が軽減されるケースもあります。
ただし、固定資産税の評価基準や地目変更の扱いは自治体によって異なるため、どのくらいの減税効果があるのかは、お住まいの自治体に確認しておきましょう。
分筆には測量費や登記費などがかかるため、費用対効果を見ながら検討するのがおすすめです。
夫婦・親子で共同購入した土地や、相続で兄弟姉妹が共有する土地、事業目的で知人同士が共同で購入した土地など、共同名義のケースは多くあります。
ですが、共同名義のままでは、土地の売買や建築、担保設定など、ほとんどの手続きに共有者全員の同意が必要になり、非常に手間がかかります。
さらに、共有者の誰かが亡くなると、その人の相続人が新たな共有者となり、権利関係が複雑化して管理が難しくなる恐れもあるでしょう。
分筆してそれぞれが単独で所有できる状態にしておけば、自分の持分を自分の判断で管理・活用できるため安心ですよ。
ただし、分筆には共同名義人の過半数の同意が必要で、勝手に手続きを進めることはできないので、事前にしっかり話し合っておきましょう。

分筆に関わるおもな費用は以下の通りです。
| 費用項目 | 内容 | 相場金額(目安) |
|---|---|---|
| 境界確定測量 | 隣地所有者立ち会いのもと、土地の境界を法的に確定する測量(土地家屋調査士が実施) | 30万~80万円 |
| 立ち会いに伴う費用 | 隣地所有者へのお礼など | ケースによる |
| 境界標の設置 | 新たに境界標を設置する工事 | 数万円~ |
| 所有権移転登記(※) | 分筆後に土地を売買・贈与した場合の名義変更 | 10万~15万円 |
(※)分筆のみで土地の名義変更をしないケースもありますが、住宅ローンを利用する場合には、分筆後に所有権移転登記を行うのが一般的です。
土地の分筆にかかる費用は、境界を確定し、登記簿上で土地を分けるために必要な手続き一式で、一般的な目安は30万円~50万円程度です。
ただし、土地の条件や依頼内容によって金額は前後するため、あくまで参考金額として考えておきましょう。
分筆費用の中で、とくに金額の差が出やすいのが境界確定測量です。
境界がはっきりしていない土地では、過去の資料調査や隣地所有者との調整が必要になり、境界確定測量の難易度が、土地の形状・広さ・周辺状況によって大きく変わります。
条件次第では、境界確定測量の費用が100万円を超えることもあるので注意しましょう。
分筆を土地家屋調査士に依頼するときは、あらかじめ総額の見積もりを確認しておくことが大切です。
どこまでの作業が含まれているのか、追加費用が発生する可能性があるのかを把握したうえで契約すると、後悔やトラブルを防ぎやすくなりますよ。

分筆は土地の権利関係や使い方を整理するうえで便利な方法ですが、どんな土地でも自由に分けられるわけではありません。
実際には、法律上の制約や土地の形状による物理的な問題によって、分筆そのものが認められなかったり、分筆してしまうと後々大きな不利益を招くケースもありますよ。
ここでは、分筆が法的にできなかったり、実務上避けるべき3つの代表的なケースを詳しく解説します。
土地選びで後悔しないために、買わない方がいい土地の特徴をこちらの記事で解説しているので、ぜひチェックしてください。


隣地との境界が確定できない土地は、分筆できません。
なぜなら分筆には、隣地の所有者立ち会いのもと、資料確認や境界の協議を行い、「境界はここで間違いない」とお互いが合意する必要があるからです。
お隣が立ち会いに応じてくれない場合や、双方の意見が食い違って境界が決まらない場合は、分筆作業が大幅に遅れたり、最悪裁判に発展するケースもありますよ。
ただし、土地の所有者が利用できる「筆界特定制度」を使えば、法務局の筆界特定登記官が資料調査や現地調査を行い、筆界(公法上の境界)を特定してくれる可能性があります。
「隣地との合意が取れないから分筆できない…」と諦める前に、土地家屋調査士に相談し、筆界特定制度の活用も含めて検討してみるとよいでしょう。

市街化調整区域の土地を分筆する場合、分筆後の敷地面積に注意が必要です。
市街化調整区域では、自治体ごとに一筆ごとの最低敷地面積が定められており、この基準を下回る土地には建築許可が下りないことがあるからです。
その結果、分筆後の土地に家を建てられず、有効活用できなくなるリスクがありますよ。
たとえば、福山市の市街化調整区域では、敷地面積の最低限度が「165㎡(約50坪)以上」と定められています。(※1)
この場合、90坪の土地を半分に分筆すると45坪ずつになり、どちらも基準を満たさないため建築できません。
また、自治体の条例によっては、そもそも分筆自体が規制されているケースもあるので注意が必要ですよ。

分筆を検討する際は、自治体の条例や面積基準を事前に必ず確認しましょう。
(※1)福山市市街化調整区域における地区計画制度の運用基準の手引き

分筆して道路に接する面がなかったり、道路に接していても2m未満しかない場合、建築基準法の接道義務を満たさず建物が建てられません。
そのため、4m以上の道路に対して、接道2m以上を確保した土地になるように分筆することが必要です。
とくに旗竿地では、もともと接道部分がギリギリであるケースも多いため、分筆した片方の土地が接道を失ってしまうことがあります。

接道を失うと家が建てられないため、分筆しても宅地としての価値が大きく下がってしまいますよね。
分筆を検討する前に、道路との接し方・道路幅・既存の接道距離など、土地の状況を必ず確認しておきましょう。
土地選びで避けられる傾向にある旗竿地については、こちらの記事で詳しく解説しているので、ぜひ参考にしてください。

418BASEは広島県福山市・府中市・三原市・世羅町を中心に、備後地方の家づくりをサポートする会社です。
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この記事では、土地の分筆について解説しました。
最後にこの記事のポイントを簡単にまとめます。
親の土地に新築するだけなら、分割して確認申請が通れば建築は可能です。
ですが、土地を独立させて権利関係を明確にできる分筆の方が、将来の相続や売却でも安心です。
分筆はメリットが大きい一方、条件を満たさなければできない場合もあるため、土地家屋調査士など専門家に相談しながら、土地の利用価値が下がらない分け方を検討してみてくださいね。
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