
新築で後悔しないコンセント位置の決め方|間取り別・家電別の配置のコツ
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(※ブログ記事の内容を家づくりコンシェルジュが動画で分かりやすく解説しています。ぜひ、こちらの動画でご覧ください)
- どこに、どれくらいコンセントをつけたらいいの?
- 失敗しないコンセント位置の決め方が知りたい!
- 暮らしの質を高めるコンセント配置のコツとは?
新築の家を建てるとき、外観や間取りに意識が向きがちで、コンセント計画を後回しにしてしまう方も多いでしょう。
しかし、電化製品が欠かせない現代の暮らしでは、コンセントの位置や数を誤ると、不便さや生活感のある見た目につながり、後悔する原因になりますよ。
コンセントは単なる電源確保のための設備ではなく、快適で理想的な空間をつくる要素のひとつです。
そこで今回は、新築で後悔しないコンセントの位置を、間取り別に解説します。
どこでどんな家電を使うのかをイメージして、自分や家族に合った最適なコンセントの位置を見つけてください。
住んでから後悔!?新築のコンセント計画でよくある失敗とは?

新築でよくある後悔は、「使いたい家電や電化製品の数に対してコンセントの数が足りない」「使いたい場所にコンセントがない」「コンセントが家具などに隠れてしまい使いにくい」といった点です。
「それならコンセントをたくさん設置すればいいのでは?」と考えがちですが、部屋のあちこちにコンセントを設置すると、今度はコンセントが悪目立ちして生活感が出てしまいます。
注文住宅では外観や間取り・細部のデザインなど決めることが多いため、コンセントの位置にはあまり重きを置かず、十分に検討しないまま決めてしまう方もいるでしょう。
さらに、コンセントの増設や撤去には有資格者による電気工事が必要で、簡単には変更できません。
だからこそ、間取りを決めるのと同じくらいコンセント計画も慎重に検討することが大切なのです。
失敗しないコンセント位置の決め方!3つのポイント

具体的なコンセントの位置を決める前に、どの部屋にも共通する基準を理解しておくと、後悔を防ぎやすくなりますよ。
失敗しないコンセントの位置の決め方には、以下の3つのポイントがあります。
それぞれ詳しく見てみましょう。
ポイント①コンセントの種類に合わせて使い分ける
コンセントと聞くと、壁に設置された縦型の2口タイプをイメージする人は多いですが、実はコンセントにはさまざまな種類があります。
そのため、コンセントの種類を把握した上で、「どこでどんな電化製品を使うか」をしっかりと考えると、適切なコンセントを選びやすくなりますよ。
新築で使われるおもなコンセントは以下の3種類です。

種類 | 特徴 | 設置例 |
---|---|---|
コンセント | ・一般的な2口のコンセント | リビング・寝室・子ども部屋・洗面台まわりなど部屋の壁面 |
家具用コンセント | ・横並びの2口のコンセント ・視線の高さに近い場所に設置 | キッチンの背面収納・書斎のデスクスペースなど |
フロアコンセント | ・床面に設置するコンセント ・使用しないときはフタを閉めてフラットにできる | ダイニングテーブル下・ソファ付近など |
たとえば、書斎でパソコンやプリンターを使う場合、床近くの一般的な2口コンセントではコードが散らばりやすく、見た目も乱雑になりがちです。
家具用コンセントをデスクの高さに合わせて設置すれば、配線をすっきりまとめられ、作業も快適になりますね。
用途に合わせて、コンセントの種類を選んで配置することがコンセント計画において大切なポイントです。
ポイント②目立たない位置に設置する
コンセントは目立たない方が、空間が整って見えます。
たった一か所でも、壁にコンセントがあるだけで、視線は自然とコンセントに向いてしまいます。

たとえば、玄関やリビングから見て真正面の壁にコンセントがあると、入口に立った瞬間にコンセントが目に入りますよね。
しかし、目線と平行になる壁面に設置すれば、コンセントは目立たず、空間全体がすっきりしておしゃれな印象になります。

コンセントの位置を決める際には、目立たない場所に設置して、生活感を抑えた空間づくりを行いましょう。
ポイント③実際の暮らしをイメージする
家族が使う家電や家具を考え、「どこで使うか・どこに置くか」を実際にイメージして、コンセントの位置や数を考えることが大切です。
家族の生活スタイルや家電の使い方に合わせないと、必要な場所にコンセントがなく不便になったり、無駄な場所に設置してしまったりするからです。
たとえば、毎日Yシャツを着るなら、ウォークインクローゼットにアイロンやスチーマー用のコンセントがあると便利ですよね。
ワークスペースだけでなく、ダイニングやリビングでもPCを使用するなら、使いやすい場所にコンセントの設置が必要でしょう。
コンセントの位置や数の「正解」は、人によって変わります。
家が完成した後の暮らしを具体的に想像して、コンセントの位置や数を決めることが、失敗しないコンセント計画につながります。
【間取り別】おすすめのコンセント位置と配置のコツ

コンセント位置の基本的な決め方がわかったところで、次は間取り別のおすすめのコンセント位置を見ていきましょう。
間取りによってコンセントの位置や数、最適な場所は変わります。
以下の表に、間取りごとにおすすめのコンセント位置をまとめました。
場所 | おすすめのコンセント位置 |
---|---|
ダイニング | ・ダイニングテーブル下 ・カウンター上(カウンターがある場合) |
リビング | ・壁面に複数口 ・ソファ近く、もしくはソファの下 |
キッチン | ・腰壁(オープンキッチンの場合はキッチン本体) ・キッチンの背面収納 |
脱衣室 | ・サーキュレーター用、アイロン用など (脱衣室の使用目的に合わせたコンセント) |
収納スペース | ・シューズボックス上 ・土間収納内 ・パントリー内 |
ここではさらに、それぞれの場所ごとのコンセント配置のコツを詳しく解説していきます。
間取りのアイデアが知りたい方は、こちらの記事をチェックしてみてくださいね。

コツ①ダイニングは高さに注意
ダイニングは家族が食事をしたり団らんをする場所ですよね。
なので、ホットプレートや電気鍋などを使う場合を考えて、テーブル周りにコンセントがあると使い勝手が良くなります。
その際、配膳や片付けの邪魔になったり、引っかかったりしないよう、テーブルの足元近くにフロアコンセントを設置するのがおすすめですよ。

また、ダイニングにカウンターがあり、そこでPC作業をするなら、カウンター上にコンセントや有線LAN端子があると便利ですね。

カウンター下にもコンセントがあれば、冬場の寒い時期にファンヒーターが使えます。
使う家電や動線を意識してコンセントを配置することで、安全で使いやすいダイニングになりますよ。
ソファダイニングを検討している方は、こちらの記事で選び方を解説しているので、ぜひご覧ください。

コツ②リビングは数を意識する
リビングでは、テレビやフロアライト、季節家電(扇風機・電気ストーブ・加湿器・空気清浄機など)といったさまざまなものを使うため、コンセントの数は多いほうが便利です。
ソファーに座ってタブレットやスマホを見る機会が多いのであれば、ソファー近くにコンセントがあるとよいでしょう。

あらかじめソファーの大きさが決まっているなら、ソファーの大きさに合わせて背面の壁の両端にコンセントがあると、誰がどこに座っても使えますね。
壁がない場合は、フロアコンセントを設けると使いやすくなります。
家具の配置や使用する家電を考え、必要な場所に必要な数のコンセントを確保することが、リビングのコンセント計画のコツです。
こちらの記事で照明の選び方を詳しく解説しているので、リビングをくつろげる空間にしたい方はチェックしてみてください。
コツ③キッチンは使いやすさを考える
キッチンのコンセント計画は、十分な数と容量の確保がポイントです。

炊飯器や電子レンジなど日常で使っている調理家電はもちろんのこと、将来使う可能性のある調理家電も考えてコンセントを配置しましょう。
たとえば、ノンフライヤー調理器や電気圧力鍋は育児や仕事で忙しい方の強い味方になるだけではなく、加齢に伴って火を使った調理を避けたい場合にも活用できるアイテムです。
腰壁の部分にコンセントを設置したり、コンセントありのキッチンを選んでおけば、キッチンに立つ人以外に見られることなく、電源を確保できますよ。

家電を隠してキッチン周りをすっきり見せたい場合は、収納棚の奥の壁にコンセントを設置するなど工夫を行いましょう。

また、キッチンの電力使用は食事の支度に集中するため、回路はあらかじめ2つに分けておくとブレーカーが落ちる心配を減らせます。
コツ④脱衣室は生活スタイルに合わせる
脱衣室では、脱衣のみ・洗濯物を干す・アイロンをかける・タオルなどを収納するなど、家族の生活スタイルによって、必要なコンセントの数が変わります。
干した洗濯物を早く乾かすなら除湿器やサーキュレーター用、アイロンを使うならアイロン用のコンセントがあると作業が効率的に行えますよ。

洗面所と一体なら、ドライヤーやヘアアイロン・電動歯ブラシ・髭そりなどが使いやすいよう、洗面台の収納部分と壁に2ヵ所程度コンセントがあるとよいでしょう。
家電の種類や水回りの安全性を意識してコンセントを配置すれば、失敗のない脱衣室づくりが叶います。
コツ⑤収納スペースは収納するアイテムに合わせる
使用するアイテムに合わせて収納スペースにコンセントを設けると、使い勝手がよくなります。
収納スペースは電化製品を使わない場所と思われがちですが、実際にはコンセントがあることで、照明や家電の使用・充電などさまざまなシーンで活用できます。
たとえば、玄関のシューズボックスの上に、照明を置いたり、クリスマスツリーを飾ったりする際はコンセントが必要ですよね。

土間収納なら、キャンプや災害時に活用できるポータブル電源、DIYで使用する電動工具、電動自転車の充電がスムーズに行えます。
パントリーや納戸は、近年はスティック型掃除機や自動床掃除機の充電スペースとして活用されており、コンセントの設置が増えています。
スティック型掃除機なら高めの位置に、自動床掃除機なら低い位置にコンセントがあると使いやすいですよ。

使用するアイテムに合わせて、適切な位置と高さにコンセントを設置すると、使いやすい収納スペースになります。
さらに、玄関直結で便利なキッチンパントリーについて詳しく知りたい方は、こちらの記事もぜひご覧ください。

【家電・設備別】暮らしを快適にするコンセント配置の工夫

コンセントは生活する上でなくてはならないものですが、少し工夫して目立たなく配置するだけで、空間をすっきり見せることができます。
視界に余計なものが入らずすっきりした空間は、暮らしの快適さや家電の使い勝手も高めてくれますよ。
ここでは、家電・設備ごとに快適に使えるコンセント配置のポイントを解説します。
壁掛けテレビでコンセントを隠す
壁掛けテレビでは、コンセントを本体裏に設置して見た目をすっきりさせましょう。
このとき、コンセントの位置はテレビの中心ではなく、取り付け金具から少しずらすと、テレビを収納してもすっきりと収まりますよ。
ただし、コンセントの位置がテレビからずれすぎてしまうと、テレビを見ているときにコンセントが目に入りやすくなるので注意してください。

テレビを見るには電源とアンテナが必要で、ネットを利用するならLANケーブルも必要になるので、あらかじめ3つまとめて設置しておくと安心でしょう。

壁掛けテレビのコンセントを配置する際は、配線を隠しつつ快適で美しいリビング空間を作るように意識するのがポイントです。
オーディオ周りは必要数を確認してから決める
テレビ周りにゲーム機やDVDレコーダーなどを置く場合は、必要なコンセントの数を事前に確認してから設置しましょう。
コンセントが少ないと、タコ足配線でそれぞれの機器を接続することになり、見た目もごちゃごちゃして掃除もしにくくなります。

コンセントを複数口確保しておけば、タコ足配線にする必要がなくなり、配線もすっきりしますよ。
コンセントを設置する際は、横並びに設置するよりも上下に設置すると、コードが床で散らばらずに掃除がしやすくなります。
さらに、「空配管」と呼ばれる中が空洞の配管をテレビ台裏にあらかじめ設置しておくと、ゲーム機とテレビをつなぐHDMIケーブルを通せて、コード類を隠せます。

コンセントの数や配置を工夫し、空配管などを活用すれば、オーディオ周りの配線をすっきり整理でき、快適な空間になります。
エアコンが悪目立ちしない位置にする

エアコンのコンセントは、天井付けよりも壁付けのほうが目立ちにくいのでおすすめです。
コンセントを天井付けにすると、エアコン本体と天井の間に距離が生まれ、コンセントが目立ちやすくなるからです。
壁付けの場合は、エアコン本体で隠れる位置に設置すると、コンセントの存在を上手く消すことができますよ。
また、電気設計図面のエアコンの位置を確認し、エアコン自体が暮らしやデザインの妨げにならないかもチェックしておきましょう。
適切な位置に壁付けコンセントを設置すれば、快適な空調環境と見た目に整った部屋を両立できます。
LAN機器・ネット回線は実用性もチェックする
LAN機器やモデムなどのネット回線の機器は、設置場所とコンセントの位置をあらかじめ決めておくと、快適で見た目もすっきり使えます。
ネット回線の機器は黒いボックス型が多く、光を発するため、置き場所によってはインテリアの邪魔になりやすいです。
さらに、ほこりをかぶると故障の原因にもなるので、高めの場所、かつコンセントとセットで目立たない位置に設置するのがいいでしょう。

また、ルーターから飛ぶWi-Fiの電波は円を描いて波及するので、ルーターを家の中心に置くと、どこの部屋にいても安定してインターネットがつながりやすくなりますよ。
洗濯機のコンセントは奥・水栓は手前がよい

洗濯機と水栓が近いと漏電の危険性が高まるので、離して設置するのがおすすめです。
このときに水栓を奥・コンセントを手前にしてしまうと、洗濯機越しに水栓をひねらなくてはいけないので手間になります。
洗濯機の電源は差しっぱなしが多いので、コンセントを奥にして水栓を手前にすると使い勝手がよくなりますよ。
コンセントの位置が床に近い場合も漏電の危険が高まるので、高くて見やすい位置に付けるのがよいでしょう。
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まとめ
新築で失敗しないコンセントの位置や数の決め方について解説しました。
最後にこの記事をまとめます。
- コンセントで後悔しやすいのは、使いたい場所にないことや生活感が出やすいこと
- コンセントの種類を把握し、実際の生活を想像しながら目立たない場所に設置するのが基本
- 間取りによってコンセントのおすすめの位置は変わる
- 必要なコンセントの数は、今現在の生活だけではなく、将来を見据えて検討することが大切
コンセントの位置や数の失敗は、事前にしっかりと計画すれば避けられます。
新築の家での暮らしをイメージし、「そこで何をしたいか」を考えると、自然と便利なコンセント位置が見えてきます。
コンセントの位置を何となくで決めるのではなく、具体的な暮らしを思い描きながら計画的に考えてみてくださいね。