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親の土地に家を建てるのはトラブルのもと?建てる前に確認すべきメリット・デメリット・税金の話

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こんにちは、ゆうすけです。

今回は「親の土地に家を建てるときの税金や住宅ローン」について解説します。

実家の横に家を建てたり、実家を二世帯住宅に建て替えるなど、親の土地に家を建てたいという方も多いでしょう。

そんなとき「親の土地だと相続や贈与のトラブルになるのでは?」と不安に感じることがありますよね。

そこで今回は、親の土地に家を建てたい方向けに「税金や住宅ローンでトラブルを避けるために知っておくべきこと」について解説します。

こちらの記事を読むことで、次のようなことが分かります。

目次

親の土地に家を建てるデメリット

「親の土地に家を建てると後々トラブルになるのでは?」と不安に感じている方も多いでしょう。

ここでは、親の土地に家を建てるデメリットを見ていきましょう。

  • 兄弟の相続トラブルの原因になりやすい
  • ローンの支払いで親に迷惑がかかることがある
  • 親が近くにいるのでお互いに不満が溜まりやすい

兄弟の相続トラブルの原因になりやすい

親の土地に家と建てるデメリットの1つ目は、「兄弟間の相続トラブル」です。

たとえば長男の名義で実家を建て替えていたり、長男世帯と親世帯が同居するための二世帯住宅を建てていた場合、親の遺産相続でトラブルになることが多いです。

特に遺産のほとんどが土地である場合や、親と長男の口約束だけで他の人に知らされていない内容がある場合などです。

親の土地で兄弟の相続トラブルにならないためには、両親が亡くなる前に相続手続きを行うことが大切です。

  • 遺言書を書いてもらう
  • 生前贈与を行う
  • 遺産の分割方法を決めておく

ローンの支払いで親に迷惑がかかることがある

家を建てるとき、土地は住宅ローンの担保になることが一般的です。

そのため親の土地に家を建てる場合、親の土地が担保になります。

万が一、子の住宅ローンの支払いが不可能になったとき、無条件で担保にしている親の土地を他人に譲渡しなければならないといった問題が発生する可能性があります。

また親が住宅ローンの連帯保証人にならなければいけないケースもあります。

このように親の土地に家を建てることで、住宅ローンの支払いで親にも責任がかかる場合があるのです。

親が近くにいるのでお互いに不満が溜まりやすい

親の土地に家を建てるデメリットの3つ目は、「親の干渉による不満」です。

実家の余っているスペースに子が家を建てる場合、親が生活に干渉しすぎて子世帯の不満がたまることが多いです。

特に親世帯と直接的な血のつながりがない夫(または妻)は、日常の些細な問題で不満を感じてしまうものです。

つまり、親の土地に家を建てる場合、実親をもつ夫(または妻)が親世帯と子世帯の中間に立って仲を取り持つ覚悟がなければいけません。

家を建てるときは、自分都合だけでなくパートナーの都合も考えることが大切です。

親の土地に家を建てるメリット

「親の土地に家を建てるとトラブルになりそうで嫌だ」と感じている方も多いでしょう。

しかし親の土地に家を建てることは、相続や日常生活において次のようなメリットもあります。

  • 住宅ローンの審査に通りやすい
  • 理想の暮らしを実現しやすい
  • 二世帯住宅なら相続税が節税できる
  • 親が近くにいるので安心できる

住宅ローンの審査に通りやすい

親の土地に家を建てるメリットの1つ目は「住宅ローンの審査に通りやすくなる」ことです。

たとえば住宅生産団体連合会の調べによると、親の土地に家を建てるときの平均費用はおよそ3,847万円となっています。

土地購入ありの新築と比べると、建築費と土地代を合わせて合計金額では1,833万円も安いことから、住宅ローンの借入金が抑えられます。

つまり、親の土地をタダで借りる場合や相続した土地に建てる場合、借入金額を抑えられるので住宅ローンの審査にも通りやすくなります。

理想の暮らしを実現しやすい

親の土地に家を建てるメリットの2つ目は「理想の暮らしを実現しやすい」ことです。

さきほどの住宅生産団体連合会の調べについて、土地購入ありの新築と親の土地での新築を比較すると、親の土地の新築の方が403万円も建築費が高くなっています。

このことから、親の土地に新築する場合、土地代で浮いた分のお金を家本体の建築費にあてることができるということです。

浮いた分の400万円で玄関を広くしたり、高気密・高断熱住宅にしたりとさまざまなことができます。

このように、親の土地に新築することでより豊かな暮らしを実現しやすくなるのです。

二世帯住宅なら相続税が節税できる

実家を二世帯住宅に建て替える場合、相続税の節税効果というメリットがあります。

たとえば二世帯住宅を建てた父が死亡し、母が相続した場合、無条件で土地の評価額が80%減額されるため、相続税が格段に安くなる(またはゼロになる)ことがあります。

この特例を「小規模宅地の相続税課税価格計算における特例」と呼びます。

具体的には、次のような条件を満たしている場合、この特例が適用されます。

ただし実家を二世帯住宅に建て替えるときに、住宅ローンの組み方や登記にも注意しなければいけません。

実家を二世帯住宅に建て替えたい方は、こちらの記事を参考にしてみてください。

親が近くにいるので安心できる

親の土地に家を建てるメリットの4つ目は、「親が近くにいる安心感」です。

共働きで子どもが生まれると、子育てと仕事を両立させるには身近な誰かの助けが必要になります。

最も頼れる存在は「両親」ではないでしょうか?

子どもの送り迎えや留守番などちょっとしたことでも、両親なら頼みやすく、両親も子どもから頼りにされることは嫌なことではありません。

また両親も高齢や一人暮らしになると、寂しさや不安が大きくなります。

いざと言うときにすぐに連絡が取れる家族が近くにいれば、安心して生活することができます。

つまり親の土地に家を建てて、両親と心地よい距離感を保つことができれば、安心感2倍・不安半分になります。

親の土地に家を建てるときの税金の考え方

親の土地に家を建てるとき、「税金が複雑すぎてどうすれば良いのかわからない」と悩まれている方も多いでしょう。

ここでは、親の土地に家を建てるときの税金について詳しく見ていきましょう。

最初に理解しておくべきこととして、親の土地に家を建てるときの税金の考え方には次の3タイプがあります。

  • ①親の土地を無料で使う(使用貸借)
  • ②親の土地を有償で使う(賃貸借)
  • ③親の土地を無償または相場よりも安く譲り受ける(みなし贈与)

①親の土地を無償で使う(使用貸借)

親の土地に家を建てる方の多くは、「親に地代や権利代を払わない」、つまり「無償」で建てることがほとんどでしょう。

無料で土地を利用することを「使用貸借」といいます。

使用貸借を行う場合、金銭的な利害関係がないため、贈与税は発生しません。

そして土地を所有する親が土地の固定資産税、建物を所有する子が建物の固定資産税を別々に支払うことになります。

ただし、使用貸借されている土地は「自用地」と呼ばれ、更地と同等の扱いになるため、借地のように評価額が下がることはありません。

その結果、親が亡くなって土地の相続が発生した場合、無償で借りていた土地でも評価額が下がらないため、相続税がかかる可能性があります。

②親の土地を有償で使う(賃貸借)

親の土地に家を建てるとき、親にいくらかの代金を支払う方もいるでしょう。

このとき支払額は、「地代分だけ」あるいは「地代と権利代」のいずれか2つで決めることが多いです。

そして支払額にしだいで、贈与税や相続税がかかる可能性があります。

ここでは、「(1)地代分だけを支払うケース」と「(2)地代と権利代を支払う」の場合について、詳しい内容を見ていきましょう。

②-(1)地代だけを支払う

親の土地に家を建てるとき、地代のみを支払う場合は「贈与税」がかかる可能性があります。

これは他人であれば支払う「権利代」を支払っていないため、「権利代相当額」が親から子へ贈与されているとみなされるためです。

また地代の支払額が、相場の賃料よりも安く定資産税程度であった場合、無償で親の土地をつかう「使用賃借」とみなされます。

その結果、相続時に相続税がかかる可能性があります。

②-(2)地代と権利代を支払う

親の土地に家を建てるとき、地代と権利代を支払う場合、贈与税はかかりません。

ただし子が親に支払う地代や権利代が親の収入にあたるため、親には所得税や住民税がかかります。

また相続時には地代や権利代で支払った額によって、相続税評価額が変更されます。

③親の土地を無償または相場より安く譲り受ける(みなし贈与)

親の土地に家を建てるとき、無償や相場より安く譲り受ける方もいるでしょう。

この場合、「みなし贈与」とみなされるため、贈与税、不動産取得税、登録免許税などの税金がかかります。

具体的には、次のような金額です。

  • 贈与税・・・贈与した額の10%~55%(累進課税)
  • 不動産取得税・・・固定資産税評価額の3~4%
  • 登録免許税・・・固定資産税評価額の2%

ただし、贈与税は相続時生産課税制度、いわゆる生前贈与を行うことで減税ができる可能性があります。

親の土地に家を建てるときの相続トラブルにならない3つの対策

「親の土地に家を建てると相続トラブルになる」と心配する方も多いですが、両親が存命中に家族でしっかりと取り決めをすることで、トラブルを回避することができます。

具体的には、次のような3つの対策が有効です。

  • 相続人がいる場合は遺言書を書いてもらう
  • 土地評価額が将来的に上がる場合は生前贈与を利用する
  • 兄弟がいる場合は生命保険で必要金を備えておく

各対策についてより詳しい内容を見ておきましょう。

トラブル対策①相続人がいる場合は遺言書を書いてもらう

相続トラブルを避ける1つ目の対策は、「遺言書を書いてもらう」ことです。

これは相続トラブルを避ける最も有効な手段といえます。

ただし遺言書を書くときは遺留分に注意しなければいけません。

遺留分とは、特定の相続人が最低限取得することができる遺産の取り分のことで、法律によって定められているため、遺言があったとして遺留分を奪うことはできません。

つまり遺言は法律的に有効な手段の一つですが、すべての内容が有効になるとは限りません。

そのため、相続に関する法律に詳しい司法書士や弁護士など専門家の意見を踏まえて、遺言書を作成することが大切です。

また確実に遺言を残すためには、公証人のもとで作成する「公正証書遺言」や「秘密証書遺言」の作成がおすすめです。

トラブル対策②土地評価額が将来的に上がる場合は生前贈与を利用する

相続トラブルを避ける2つ目の対策は、「生前贈与を利用する」ことです。

生前贈与とは、存命の個人が別の個人に対して財産を無償で渡すことです。

特に「相続時精算課税制度※2」という生前贈与の仕組みを利用して、親の土地の一部または全部を相続することで減税効果が期待できる場合があります。

ただし、相続時精算課税で贈与した財産は、贈与者が亡くなったときに相続財産に加算しなければなりません。

このとき、加算金額は贈与したときの時価で、相続時精算課税を選択したあとのずべての贈与が加算対象になります。

なので、相続時精算課税制度でお得に生前贈与できる親の土地は、「贈与後に価値が上がる土地」などの一部に限られます。

これらの制度を利用する場合には、司法書士や弁護士などに相談しながら適切タイミングで利用することが大切です。

トラブル対策③兄弟がいる場合は生命保険で必要金を備えておく

相続トラブルを避ける3つ目の対策は、「生命保険で必要金を備えておく」ことです。

たとえば土地を親から長男へ相続する場合、長男以外の兄弟は土地の権利相当額の支払いを要求することが多いです。

このとき、生命保険をかけて必要金の現金を確保しておけば、兄弟間で親の土地の権利でトラブルになることを避けられます。

親の土地に家を建てるときの住宅ローンに注意

親の土地に家を建てるとき、住宅ローンを利用する方が多いでしょう。

親の土地に家を建てる場合は、一般的な住宅ローンよりも借入額が少ないため、住宅ローンの審査に通りやすいと考えられます。

しかし、親の土地だからこその問題点やトラブルも考えられます。

そこで、親の土地に家を建てるとき住宅ローンを利用する場合は、次の3つの点に注意しましょう。

  • ①親の土地の抵当権を確認する
  • ②親の土地の名義を確認する
  • ③実家と同じ土地に子の家を建てる場合は分筆・分割が基本

注意①親の土地の抵当権を確認する

親の土地に家を建てるとき住宅ローンで注意すべき1つ目のポイントは「親の土地の抵当権」です。

抵当権とは、住宅ローンなどを借りるとき、購入する住宅と土地に金融機関が設定する権利のことです。

いわゆる担保のことで、住宅ローンを返済できなくなった場合に、銀行が抵当権を行使して、住宅の差し押さえなどを行います。

親の土地に家を建てる場合、親の土地を住宅ローンの担保に設定することになるため、親の土地に抵当権が抹消している(つまり他のローンで担保になっていない)状態でなければいけません。

また親が住宅ローンが完済している状態でも、土地の抵当権は確認しておくべきです。

抵当権の確認方法は、法務居が管轄している不動産登記で調べることができるのは、「登記簿謄本(登記事項証明書)の発行を依頼しましょう。

登記簿謄本は最寄りの法務局窓口または、登記情報提供サービスのホームページから取得できます。

万が一、土地を担保にした借金を完済していても、抵当権が残っていれば抵当権の抹消手続きが必要になります。

このような手続きは個人でも可能ですが、急ぎの方は司法書士や弁護士などの専門家に依頼しましょう。

注意②親の土地の名義を確認する

親の土地の家を建てるとき住宅ローンで注意すべき2つ目のポイントは「親の土地の名義」です。

名義が親であることが確認できたら、主に3つの方法で相続を考えましょう。

  • ①親が存命中に土地を譲り受ける⇒生前贈与
  • ②親が亡くなったとき相続して名義変更する⇒相続
  • ③親が亡くなったあとも親名義のままにする⇒相続(共有)

3つの選択肢のなかでおすすめは「②親が亡くなったとき相続する(相続)」です。

①は生前贈与にあたりますが、②の相続税と比べて税率が高く、負担が大きくなりやすいです。

③のように親名義のままにしておくことも可能ですが、今後「相続登記」が義務化されると、違反した場合に罰金を支払うことになります。※3

また親名義の土地は相続人全員の共有物になるため、月日が経つほど土地の所有権が不明になってしまう可能があります。

なので、両親が亡くなった後も親名義のままにしておくことはおすすめできません。

②の場合、親が存命中は親名義の土地に家を建て、親が亡くなってから相続時に名義変更を行います。

不動産を相続する場合、(1)3,000万円+600万円×法定相続人の数の基礎控除、(2)小規模宅地等の特例※4の2つの基礎控除があるため、生前贈与と比べると減税効果が高いです。

ただし金融機関によって住宅ローンの担保となる土地の名義は、ローンが完済するまで変更できないケースもあります。

このように、土地の名義や相続はとても専門的な知識が必要になるので、まずは専門家に依頼することがおすすめです。

注意③実家と同じ土地に子の家を建てる場合は分筆・分割が基本

親の土地に家を建てるときに注意すべき3つ目のポイントは「分割と分筆」です。

土地の分割とは登記簿上の変更を行わず、建築基準法を満たすように土地を分けることです。

分割した土地が建築基準法に適合していれば、親の土地の一角に新しい家を建てることができます。

一方土地の分筆とは、登記簿上2つの土地に分けることです。

登記簿上で別々の土地にすることで、抵当権の設定を別々にしたり、土地の評価額を下げることができます。

特に実家が建っている土地に、子が家を建てる場合には分筆と分割の両方を行うことをおすすめします。

分筆を行わないまま子が実家の横に家を建てた場合、子の住宅ローンの担保になる土地は親の土地すべてが含まれます。

そのため万が一、子や連帯保証人(親)が子の住宅ローンの返済ができなくなると、子の住宅だけでなく、親の土地すべてが競売にかけられることになります。

なので、子が実家の横に家を建てるときは、分筆と分割を行ってリスクを下げる必要があるのです。

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まとめ

今回は「親の土地の家を建てるときの税金やトラブル、住宅ローンの注意点」について解説しました。

こちらの記事をかんたんにまとめます。

親の土地に家を建てるデメリット

  • 兄弟の相続トラブルの原因になりやすい
  • ローンの支払いで親に迷惑がかかることがある
  • 親が近くにいるのでお互いに不満が溜まりやすい

親の土地に家を建てるメリット

  • 住宅ローンの審査に通りやすい
  • 理想の暮らしを実現しやすい
  • 二世帯住宅なら相続税が節税できる
  • 親が近くにいるので安心できる

親の土地に家を建てるときの税金の考え方

  • ①親の土地を無料で使う(使用貸借)⇒贈与税なし、相続税あり
  • ②親の土地を有償で使う(賃貸借)
    • (1)地代だけを支払う⇒贈与税の可能性あり
    • (2)地代と権利代を支払う⇒贈与税なし、親の所得税・住民税あり
  • ③親の土地を無償または相場よりも安く譲り受ける(みなし贈与)⇒贈与税あり

親の土地に家を建てるときの相続トラブルにならない3つの対策

  • 相続人がいる場合は遺言書を書いてもらう
  • 土地評価額が将来的に上がる場合は生前贈与を利用する
  • 兄弟がいる場合は生命保険で必要金を備えておく

親の土地に家を建てるときの住宅ローンに要注意

  • 親の土地の抵当権を確認する
  • 親の土地の名義を確認する
  • 実家に子の家を建てる場合は分筆・分割が基本

参考文献・出典

※1住宅生産団体連合会「2019年度 戸建注文住宅の顧客実態調査

※2 国税庁「No.4103 相続時精算課税の選択

※3 法務局「所有者不明土地の解消に向けた民事基本法制の見直し

※4 国税庁「No.4124 相続した事業の用や居住の用の宅地等の価額の特例(小規模宅地等の特例)」

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