

地震大国の日本において、住宅の耐震性は「あると安心」ではなく「備えておくべき前提条件」になりつつあります。
広島県府中市で家を建てる場合も例外ではありません。
ただ、耐震住宅といっても、何を基準に選べばよいのか分かりにくいと感じる方も多いのではないでしょうか。
この記事では、府中市で地震に強い家を建てるための手順や、耐震性の高い住宅を建てられる工務店を見極めるコツを解説します。
最後まで読んでいただければ、家族が将来にわたって安心して暮らせる住まいを、自信を持って選べるようになりますよ。

世界で発生するマグニチュード6.0以上の地震の約2割は、日本周辺で発生しています。
(※1)
このように地震の発生が多いことから、日本は「地震大国」とも呼ばれていますね。
ただし、国内でも地震の発生リスクには地域差があるため、地震への備え方や意識の高さはエリアによって異なるのが実情です。
比較的安心な地域と思われがちな府中市ですが、過去の地震履歴や地盤特性を見ていくと、家づくりの際に意識しておきたいポイントが見えてきますよ。
ここでは、次の観点から広島県府中市の地域特性を見ていきましょう。
府中市単独で見ると、歴史上の大地震の記録は多くありません。
しかし、広島県全体で見てみると、死傷者や家屋の全壊・半壊といった甚大な被害をもたらした地震が繰り返し発生しています。
以下は、広島県に被害をもたらしたおもな地震の一覧です。(※2)
| 地震発生日 | 名称 | マグニチュード | 被害の内容 |
|---|---|---|---|
| 1649年3月17日 | 安芸・伊予地震 | 7.0 | 家屋全壊あり |
| 1686年1月4日 | 安芸・伊予地震 | 7.2 | 死者2人、家屋破損147棟 |
| 1707年10月28日 | 宝永地震 | 8.6 | 多数の家屋が倒壊 |
| 1854年12月23日 1854年12月24日 | 安政東海地震 安政南海地震 | 8.4 8.4 | 全国で家屋の倒壊・焼失が3万棟、死者は2,000~3,000人 |
| 1857年10月12日 | 伊予・安芸地震 | 7.3 | 家屋の倒壊 |
| 1872年3月14日 | 浜田地震 | 7.0~7.2 | 負傷者3人、家屋全壊20棟 |
| 1905年6月2日 | 芸予地震 | 7.2 | 死者11人、負傷者160人、家屋全壊50棟 |
| 1946年12月21日 | 昭和南海地震 | 8.0 | 負傷者3人、住家全壊19棟、半壊42棟 |
| 1949年7月12日 | 安芸灘地震 | 6.2 | 死者2人、負傷者2人 |
| 2001年3月24日 | 芸予地震 | 6.7 | 死者1人、負傷者193人、住家全壊65棟 |
これらを見ると、マグニチュード7~8クラスの地震が周期的に発生していることがわかりますね。
2001年(平成13年)に発生した芸予地震では、人的被害や住宅被害が広島県内に集中し、大きな爪痕を残しました。
広島県は地震が少ない地域といわれることもありますが、発生頻度が比較的低いという意味であって、地震が起こらないという意味ではありません。
実際に、マグニチュード7クラスの地震が歴史的にくり返していることからも、府中市で家づくりをする際には、一定水準以上の耐震性を前提に考えることが重要だといえます。
府中市を含む広島県は、南海トラフ沿いで発生する海溝型地震の影響を受ける可能性があるエリアです。
南海トラフ地震は、静岡県沖から九州沖にかけて広がる海溝沿いで発生する巨大地震で、西日本の広い範囲に強い揺れや被害をもたらすとされています。
実際に過去には、南海トラフ地震とされる巨大地震の影響により、広島県でも被害が発生していますよ。
直近では、1944年に発生した昭和東南海地震と、1946年に発生した昭和南海地震があります。(※)

また、府中市周辺には、広島県内に分布する複数の活断層が確認されています。
さらに西日本には、日本最大級の活断層である中央構造線断層帯が分布しており、内陸地震への備えも重要とされていますよ。
府中市は地震が比較的少ない地域といわれる一方で、海溝型地震と内陸型地震の双方を想定すべきエリアでもあります。
そのため、府中市で注文住宅を建てる際には、耐震等級や構造計算を前提に、「万が一のときに家族を守れるか」という視点で住まいの耐震性能を考えることが大切です。

地震に強い家と聞くと、耐震性が高い家を思い浮かべる方が多いでしょう。
しかし、耐震性が高い家といっても、建物そのものが頑丈であれば十分なのか、それとも土地選びまで含めて考えるべきなのか判断に迷いますよね。
ここからは、広島県府中市で地震に強い家を建てるための方法を3つのステップで整理していきましょう。
広島県府中市に家を建てるなら、こちらの記事もぜひ参考にしてください。

地震に強い家づくりでは、土地選びから始まります。
いくら家の耐震性の高い建物を建てても、地盤が弱ければ揺れが増幅し、建物が傾いたり沈んだりする被害が発生する可能性がありますよ。
地盤の強さは、建物の安全性を左右する重要な要素なので、土地選びの段階で必ず確認しておきましょう。
府中市内では、造成地の有無や旧農地の分布、地名の由来などに注目することが、地盤リスクを見極めるポイントになります。
切土や盛土、傾斜地で造成された土地は、地震の際に揺れやすくなったり、斜面が崩れやすくなったりすることがあります。
府中市内では、桜が丘や本山町の一部に大規模な盛土造成地があり、とくに注意が必要です。(※)
土地選びの際は、造成方法や地盤の状態を事前に確認し、安全性をしっかり確認することが大切ですよ。
一見すると平坦な土地でも、低地に土砂を積み上げた「盛土」や、傾斜地を削った「切土」によって造成されている場合があります。
とくに谷を埋めて造成した「谷埋め盛土」は、地下水位が高くなりやすく、地震時に液状化や建物の沈下・傾斜が発生するリスクがあるので注意しましょう。
現在の高木町・中須町・府川町・出口町周辺の平野部は、かつて田や畑が広がっていたエリアです。
旧農地のなかでもとくに、田んぼは水分を多く含むため、軟弱地盤になっている場合があります。
土地を購入する際には、必ず地盤調査を行い、地盤の強さを確認しましょう。
農地から宅地へ転用された土地では、地盤改良が実施されていることもあります。
過去の地盤改良工事の有無や工法を確認することも大切ですよ。
おもな地盤改良工事の工法は次の3つです。
| 表層改良工法 | 軟弱層が地表から約2m以内の場合に、セメントなどで地盤を補強 |
|---|---|
| 柱状改良工法 | 約2~8m以内の軟弱層に対して、硬い地盤まで掘り進めて円柱状の改良杭を打つ |
| 鋼管杭工法 | 地中30m以内の固い地盤に鋼管杭を打ち、建物を支える |
採用されている工法から、地盤の状態や必要とされた対策レベルを推測できます。
地盤調査結果を含めて、地盤の強さや将来的なリスクを客観的に把握することが大切ですよ。
日本の地名には、その土地の地形や自然環境が反映されていることがあります。
「川/谷/沼」などの文字が含まれる地域は、かつて河川や低地であった可能性があるでしょう。
府中市は、1954年(昭和29年)に府中町/岩谷村/栗生村/国府村/下川辺村/広谷村が合併して誕生した市です。
現在の府川町は、府中市の由来となった国府のあった場所で、芦田川の河川敷にあたることから府川と呼ばれていました。
このような地名の成り立ちから、府川町や広谷町、旧下川辺村(篠塚町周辺)などでは、低地や軟弱地盤の可能性を踏まえて確認する必要があるでしょう。
しっかりとした地盤の土地を選んだら、次は地震に強い家を建てる住宅会社を選びましょう。
住宅会社によって、耐震性能の考え方や採用している構造・工法に大きな違いがあります。
同じ耐震等級であっても、設計方法や構造計算の有無によって、実際の安全性に差が生じることがありますよ。
地震に強い家を建てるためには、住宅会社に任せきりにするのではなく、施主自身も耐震等級や建築工法について理解したうえで比較検討することが大切です。
ここからは、住宅会社選びで必ず確認したい、耐震等級と建築工法について解説します。

耐震等級とは、2000年に施行された「住宅の品質確保の促進等に関する法律(品確法)」に基づき、建物の地震に対する強さを3段階で示した指標です。(※)
数字が大きいほど耐震性能が高くなりますよ。
2016年に発生した熊本地震(震度7の地震が2回)では、耐震等級3の建物の約9割が無被害、約1割が軽微な損傷にとどまったという報告があります。(※)
地震に強い家づくりを行ううえで、耐震等級は重要な比較基準のひとつです。
ただし、すべての住宅会社が耐震等級3の家を建てられるわけではありません。
耐震等級3を取得するには、施工技術だけでなく、国土交通大臣の登録を受けた住宅性能評価機関から、「設計住宅性能評価書」と「建設住宅性能評価書」の認定を受ける必要があります。
「耐震等級3相当」と記載されている場合でも、第三者評価を受けているかどうかを確認することが大切ですよ。
住宅の耐震性は、耐震等級だけではなく、構造形式(工法)によっても変わります。
構造形式とは、建物の倒壊を防ぐために骨組みとなる柱や梁、壁などの配置や結合を考えるもので、地震に強いといわれているのは以下の3つの工法です。
| 在来軸組工法 | モノコック工法 | SE工法 | |
|---|---|---|---|
| 構造の特徴 | 柱・梁・筋交いで支えるフレーム構造 | 壁・床・天井を面で支える構造 | 集成材・金物・構造計算による骨組み構造 |
| 耐震性能の傾向 | 施工品質により性能差が出やすい | 耐震等級3を取りやすい | 耐震等級3を取りやすい |
| 構造計算への対応 | 構造計算は任意(住宅会社による) | 構造計算を行う場合が多い | 全棟で構造計算が前提 |
| 間取りの自由度 | 自由度が高く設計しやすい | 開口部や大空間に制約が出やすい | 吹き抜けや大空間でも耐震性を確保しやすい |
| コスト | 比較的抑えやすい | やや高め | 高め |
| 対応できる住宅会社 | 施工できる住宅会社が多い | 対応できる住宅会社はあるが、設計条件により採用できない場合がある | 施工できる会社が限られ、認定を受けた工務店のみが対応できる |
モノコック工法は、揺れを面全体で吸収して建物のねじれを抑え、SE工法は地震のときに弱点になりやすい接合部に専用の金物を採用し、骨組み全体で揺れに抵抗します。
地震に強い家を目指すなら、それぞれの特徴を理解して、対応可能な住宅会社を選ぶことが必要です。
地震に強い家づくりでは、地震時に倒壊しないだけではなく、地震後もそれまでと変わらず安心した暮らしができることが大切です。
耐震性だけを高めても、気密性が低いと結露が発生しやすくなり、木材の腐食やシロアリの被害によって建物の経年劣化が起こりやすくなります。
具体的には、小さな隙間から壁の内部へと湿った空気が侵入すると、外壁部分の冷たい空気で冷やされ、壁内で結露を引き起こしますよ。
躯体と呼ばれる柱や梁、壁などの家を支える骨組みに発生する結露は内部結露といい、窓やサッシなどに発生する表面結露のように目に見えるわけではありません。
そのため、結露に気が付きにくく、いつの間にか被害が大きくなってしまう可能性が高いです。
このように、耐震性能と気密性には密接な関係があります。
高い耐震性能を長期間維持するためには、適切な気密性の確保と防蟻処理を前提とした家づくりを行うのがよいでしょう。
こちらの記事では、府中市での高気密・高断熱の家づくりのポイントを詳しく解説しているのであわせてご覧ください。

耐震性の高い家を建てる場合、耐震等級3に対応している住宅会社を選べば安心と考える方もいるでしょう。
しかし、単に耐震等級3に対応しているというだけでは、十分とはいえない場合もあります。
ここでは、広島県府中市で地震に強い家づくりができる住宅会社を選ぶ3つのコツを紹介します。
広島県府中市で耐震性の高い家づくりをするなら、候補に挙がっている住宅会社に「構造計算を行っているか」「耐震等級3の施工が可能か」の2点を確認しましょう。
構造計算とは一般的に「許容応力度計算」のことで、建物に使われている柱や梁の一本一本から基礎に至るまで、地震や風の力に対して安全に耐えられるかを数値で検証する計算方法です。
2025年4月の建築基準法改正により、これまで一部免除されていた木造住宅でも義務化となりました。
ただし、専門的な知識や体制が必要になるため、対応できない住宅会社もあるので注意してください。
さらに、耐震性能を測る方法には「許容応力度計算」のほかに、「壁量計算」や「性能表示計算」があります。

「壁量計算」では地震や風に対して必要な壁の量、「性能表示計算」では床や屋根の剛性を確認しますが、基礎の強度などは確認されません。
木造住宅の耐震等級は「性能表示計算」で算出されたものが多く、同じ耐震等級3であっても「性能表示計算」と「許容応力度計算」では内容が異なります。
より耐震性の高い家づくりを行うなら、「許容応力度計算」を行っていて、なおかつ耐震等級3を前提に設計している住宅会社を選ぶことが重要です。
長期優良住宅制度とは、国土交通省が定める「長期にわたり良好な状態で使用するための措置が講じられた優良な住宅」を認定する制度です。(※)
高い耐震性や適切な維持保全計画など、一定の基準を満たした住宅のみが認定を受けられますよ。
長期優良住宅の申請には、構造計算書や維持保全計画書など多くの書類が必要となるため、一般的には住宅会社に手続きを依頼します。
しかし、実績が少ない住宅会社の場合、申請手続きに不慣れなケースもあるため注意が必要です。
安心して取得を目指すためにも、長期優良住宅の施工実績が豊富で、申請から認定までの流れを熟知している住宅会社を選ぶのがよいでしょう。
家づくりでは、耐震性能の高い設計だけでなく、土地選びや予算計画も安全な家をつくるうえで重要なポイントです。
広島県府中市の家づくりでは、地形や地盤の特徴を踏まえて設計・工法を工夫する必要があります。
たとえば、軟弱地盤や低地などのリスクを考慮せずに建てた場合、耐震等級3の住宅でも本来の強さを発揮できないことがあります。
土地の選定から資金計画までトータルで提案できる住宅会社であれば、耐震性や地盤リスクを含めた最適な設計が可能になり、安心して家づくりを進められるでしょう。
耐震性だけでなく、土地や費用面の不安まで一緒に解消しながら提案してくれる住宅会社を選ぶことで、地盤や資金のリスクも考慮した安心できる家づくりが可能になります。
こちらの記事で、広島県府中市の土地探しについての詳しい内容をお伝えしています。
418BASEは広島県福山市・府中市・三原市・世羅町を中心に、備後地方の家づくりをサポートする会社です。
これまで地域の方々からたくさんのご支持をいただき、創業から50年以上を迎えることができました。
418BASEでは、高気密・高断熱の注文住宅の設計・施工を行っており、最新設備を取り揃えたモデルハウスも公開しています。
備後地方で家づくりを検討されている方は、ぜひ418BASEへご気軽にご相談ください。
この記事では、広島県府中市で耐震住宅を建てる方法や工務店選びのコツを解説しました。
最後に要点をまとめます。
家族が安心して暮らせる家は、日々の生活だけではなく、長い人生において幸せの基盤となります。
府中市で耐震性の高い家を建てるためには、土地の選定や住宅会社選び、構造設計までひとつひとつしっかりと確認しましょう。
この記事を参考に、安全で安心できる家づくりの第一歩を踏み出してみてくださいね。
参考資料
(※1)国土交通省|河川データブック2025|2-2-3世界のマグニチュード6以上の震源分布
(※2)地震調査研究推進本部事務局|都道府県ごとの地震活動|広島県に被害を及ぼした主な地震
(※)気象庁|南海トラフ地震について|過去の南海トラフ地震
(※)広島県|大規模盛土造成地マップについて|府中市
(※)国土交通省|住宅の品質確保の促進等に関する法律
(※)国土交通省|熊本地震における建築物被害の原因 分析を行う委員会」報告書のポイント
(※)国土交通省|長期優良住宅のページ
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