田んぼに家を建てるメリット・デメリットとは?土地購入の流れと費用(広島県福山市版)
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(※ブログ記事の内容を家づくりコンシェルジュが動画で分かりやすく解説しています。ぜひ、こちらの動画でご覧ください)
- 田んぼに家を建てるとトータル費用は安くなる?
- 田んぼやに家を建てるデメリットが知りたい!
- 田んぼに家を建てるときにかかる追加費用はどのくらい?
マイホームを検討中の誰もが一度くらいは、「安い田んぼの土地を買って家を建てたら、費用は安く済む」と考えたことがあるのではないでしょうか。
しかし地盤が緩い田んぼは、分譲地を購入して家を建てるのと同じようには家を建てられません。
地盤改良などが必要になるので、安さだけで飛びついてしまうのは危険です。
この記事では、田んぼに家を建てる流れを解説しつつ、追加費用も詳しく紹介します。
「田んぼを安く買ったのに、家を建てたら総額が予想よりも高くなって後悔した」とならないよう、田んぼに家を建てる費用やデメリットを正しく理解しておきましょう。
【結論】「田んぼに家を建てると費用は安くなる」は間違い!
祖父母や両親から相続した田んぼに、家を建てるのであれば土地代はかからないですね。
そもそも、田んぼ自体の価格が一般的な住宅用の土地と比べて安いのは事実です。
しかし、田んぼに家を建てても費用は分譲地に家を建てるのと変わらないか、場合によっては高くなる可能性があるので注意してください。
その理由は、田んぼに家を建てることにはデメリットがあるからです。
田んぼに家を建てるデメリットと、メリットを詳しく解説していきますね。
田んぼに家を建てるデメリットとは?
- 費用がかかる
- 手続きが面倒
- 地盤が緩い
- 時間がかかる
地盤が緩い上、隣の土地や道路と高低差のある田んぼは、土を入れてかさ上げしたり地盤改良をする必要があり、その分費用が追加で必要になります。
また、田んぼを購入するには売主との交渉から、田んぼを宅地にして地目を変更するなど、手続きが大変です。
こうした工程の多さにより、田んぼを購入してから実際にマイホームが建ち、生活ができるようになるまでは長い時間がかかります。
田んぼに家を建てる際は費用の計算や入居の計画が、分譲地の場合と違う点が多いので注意してください。
田んぼに家を建てるメリットとは?
- 土地代が安い
- 広い土地を所有できる
- 日当たりが良い
- 静かな場所が多い
田んぼに家を建てるメリットは、相続した場合は土地代はタダになることです。
購入でも分譲地より広い土地を安く買えるケースが多くありますよ。
また、田んぼは稲の生育を促すために、拓けた日当たりの良いところが多く、周囲に高い建物がない静かな環境ですよね。
このような場所に家を建てられるのも、田んぼに家を建てるメリットです。
田んぼを購入して家を建てるまでの流れをもとにかかる費用を解説
田んぼを購入してからも、分譲地に家を建てるケースとは異なる手続きなどが必要になります。
田んぼに家を建てたいと思ってから、実際に家を建てるまでの流れと追加費用について紹介しているので、みていきましょう。
- ステップ①不動産会社を訪問
- ステップ②家屋調査士の立ち合いによる境界確認
- ステップ③売買契約
- ステップ④土地決済
- ステップ⑤地目変更
- ステップ⑥造成工事
- ステップ⑦地鎮祭
- ステップ⑧地盤調査と地盤改良工事
紹介する流れのなかで、わからない用語があったら、こちらの記事をチェックしてみてください。
ステップ①不動産会社を訪問
田んぼを購入するときは、売主との個人的な交渉では契約は成立しません。
不動産会社に仲介してもらう必要があります。
まずは不動産会社に行き、「この田んぼを購入したいと思っている」「売主と売買について話し合う予定がある」と相談してみましょう。
不動産会社から仲介の承諾を得られて、そこから始めて具体的に田んぼの購入の交渉が進むことになります。
次に、購入したい田んぼと隣接する土地との境界や越境物など、状況の確認を行います。
境界の確定や近隣住民との話し合いが終わっていないのであれば、それらが済んでから売買契約を行いたい旨を申し出ましょう。
境界の確定や近隣住民との話し合いなど、後々のトラブルを避けるための調整が済んでいるかが重要なポイントになりますよ。
ステップ②家屋調査士の立ち合いによる境界確認
境界確認は売主と買主、隣地所有者、不動産会社だけではなく、家屋調査士が立ち会って行う必要があります。
さらに、田んぼが道路や水路に接している場合は、県や市の立ち合いと申請が必要になるので注意してください。
境界確認には、家屋調査士の作成する図面や、隣地の住民との立ち合い日程の調整などがあるため、期間は1〜2ヶ月ほどかかります。
境界確認の費用については、土地がそこまで広くなく、境界のポイントがわかるプレートやピンの数が少ないと確認作業が簡単になり、費用は30〜50万円ほどになります。
土地が広くなるとそれだけ確認作業が難しくなるので、費用は50〜70万円と高くなりますよ。
境界確認にかかる費用の負担については、売主と買主の交渉によって決まります。
ステップ③売買契約
境界確認が終わったら、売買契約へ進みます。
売買契約を行う場合は、その日に価格を決めるのではなく、相場を踏まえた上で田んぼをいくらで買うのか、契約日までに相談しておく必要がありますよ。
また、売買契約では田んぼの価格以外にも、あらかじめ決めておく必要のあるものがあります。
たとえば、家を建てるにあたって埋蔵物が出たときに、撤去費用を売主と買主のどちらが負担するかですね。
多くの場合は売主側の負担となりますが、しっかりと話し合い、確定事項として条件に加えるようにしてください。
売買契約が成立すると、手付金の意味合いがある契約時金が必要になります。
土地の費用の最大20%まで支払いが可能ですが、一般的には土地代の10%が相場であり、最低ラインは10万円です。
200万円で田んぼを購入するのであれば、契約時金は10〜20万円ですね。
これに、契約書に添付する印紙代をプラスした金額が、売買契約当日には必要となるので用意しておきましょう。
ステップ④土地決済
売買契約を終えたら、決済日に残りの田んぼの購入代金を支払います。
同時に、このタイミングで不動産会社に仲介手数料の支払いを行いましょう。
仲介手数料については、田んぼの価格に対する相場がある程度決まってはいるものの、実際の金額は不動産会社によって変わるので要相談となります。
さらに、司法書士への費用も発生します。
田んぼの代金が全額支払われると所有権が売主から買主に変更され、手続きは司法書士が法務局で行うためです。
予算を組む際は、諸費用もしっかりと組み込んでおきましょう。
ステップ⑤地目変更
土地の決済を終えたら、地目変更をしましょう。
田んぼには家は建てられないので、次は田んぼ(農地)から宅地へと地目を変更する必要がありますよ。
変更の手続きは家屋調査士への依頼となり、変更に伴う費用が発生します。
エリアによって費用は異なりますが、目安をまとめてみました。
エリア | 特徴 | 費用や手続き |
---|---|---|
市街化区域 | 事業や商売、住居などを目的として建物を建てたり、道路や公共施設などを整備することを優先 | 5万円ほどで申請のみ |
調整区域 | 住居や商業施設などを建てるのは原則認められていないが条件を満たすと活用が可能 | 10万円ほどで届け出をして許可が必要 |
農地振興区域 | 農業に利用されるべきとされる区域 | 15~20万円ほどで、農地振興区域から除外してもらう手続きから必要となる |
田んぼに家を建てる際は、すぐに家を建てられないので、時間に余裕をもって早めに手続きをしていきましょう。
ステップ⑥造成工事
地目変更の後は、地盤が緩く、周辺との土地と高低差のある田んぼは造成工事が必要です。
相場は1坪あたり約2〜3万円といわれており、50坪なら100〜150万円、200坪なら400万〜600万円と、田んぼの土地が広いほど当然ながらコストも高くなります。
造成工事の4つの内訳について、それぞれの工事内容や費用の相場を見てみましょう。
- 残土処分費用
- 草残土処分費用
- 盛土費用
- 整地運搬費用
残土処分費用
残土とは、建設工事や土木工事などで発生する副産物的な土のことをいいます。
田んぼの場合、表面に粘土土が入っているため、粘土土を取り除いてから新しい土を入れると粘土土を残土として処分しなければいけません。
なお、粘土土を取り除かなくても、後の地盤改良により水はけのよい状態になるので、残土処分を行うかどうかは検討が可能です。
相場は、2トン車1台分で7,000〜9,000円ほどになります。
草残土処分費用
田植えや畑をしなくなって数年が経過していると、雑草が生い茂っているため、土と合わせての処分が必要になります。
土のみと比べて草が入っていると処分に手間がかかることから、費用は高くなり、2トン車1台分で10,000〜13,000円ほどが相場になりますね。
ただし、処分業者によっては表面の草を草残土として処分し、草を含まない下層は残土として処分してくれるケースもあります。
盛土費用
周辺の土地と比べて低い位置にある田んぼを宅地にする場合は、土を盛って高低差をなくす必要があります。
これを盛土といい、斜面を平にするときにも用いられる工法になりますよ。
田んぼの場合、土留めや擁壁を建てるといった工事を行うにあたり、大量の土を購入しますが、相場は2トン車1台分で7,000〜9,000円ほどです。
入れる土の量は田んぼによって違い、広くて低い田んぼほど盛土費用は高くなります。
整地運搬費用
必要のない田んぼの粘土土を運び出したり、反対に盛るための土を運び入れるのに費用がかかります。
また、運んできた土を平らにならす整地工事にも費用がかかりますよ。
これらは一式で50,000〜80,000円が相場となっています。
ステップ⑦地鎮祭
田んぼが綺麗に整地され、いよいよ住宅の建設に入る前に地鎮祭が行われます。
地鎮祭とは、土地の神様に工事の安全を祈願する儀式で、宮司(神主)へのお礼に30,000円、近隣への手土産に20,000円ほどかかるのが通常です。
地鎮祭は田んぼに家を建てる場合に行うものではなく、分譲地であっても慣例として行われてきました。
とはいえ、近年は地鎮祭を行わない施主も増えており、実際にやるかやらないかは決めることができます。
ステップ⑧地盤調査と地盤改良工事
地盤調査は、その土地が建物の重さに耐えられるか、沈下や液状化の危険性がないかなどを調べるものです。
地盤調査は田んぼの所有権が施主に移っていないとできないため、いくらかかるかは事前にはわかりません。
地盤調査により土地がやわらかいと判断されると、杭を入れたり、コンクリートで地表表面を固めるなどの地盤改良工事が行われます。
あくまでも一例ですが、地表表面をコンクリートで固める表層改良工法であれば30〜50万円、杭を入れる柱状改良工法や鋼管杭工法の場合は50〜180万円ほどかかります。
地盤改良については、こちらの記事を参考にしてください。
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まとめ
この記事では、田んぼに家を建てるときに注意したい費用について解説しました。
最後に、この記事をまとめます。
- 田んぼに家を建てても費用は安くならない
- 田んぼは緩い土地の整備や宅地への変更手続きに費用も時間もかかる
- 田んぼの造成工事は50坪なら100~150万円、200坪は400~600万円が必要
- 事務関係では境界確認に30~70万円、地目変更の申請に5~20万円ほどの費用が必要な上、許可などが下りるまで1~2ヶ月かかる
- 地盤改良工事が必要になると30~180万円が必要になる
安くて広い土地が手に入れられる田んぼは、マイホーム建設を考えている人にとっては夢のようにも思えますが、現実は厳しいと言わざるを得ないでしょう。
購入後に後悔しないよう、田んぼの購入から家を建てるまでの流れや費用を把握した上で、「本当にこの田んぼを買うべきか」改めて考えてみてくださいね。