ローコスト住宅は後悔する?安い理由や失敗例を解説
こんにちは、ゆうすけです。
今回は「ローコスト住宅の後悔」について解説します。
住宅価格が高止まりしている近年、「ローコスト住宅」とよばれる安価な住宅が人気を集めています。
では、なぜローコスト住宅のハウスメーカーは、他の住宅会社よりも安い価格で住宅を提案できるのでしょうか?
今回はその「安さ」の秘密について見ていきましょう。
そして「これから注文住宅を建てる方」向けに、ローコスト住宅で後悔・失敗しやすいポイントについても解説します。
こちらの記事を読むことで、次のようなことが分かります。
福山市で注文住宅の予算にお悩みの方へ
福山市の家づくりで、土地探しや住宅会社選びに悩んでいる方は、ぜひこちらも合わせてご確認ください。
ローコスト住宅とは
ローコスト住宅は、相場の価格よりも安価な住宅のことです。
一般的な注文住宅であれば、坪単価(1坪あたりの費用)は、およそ60~90万円程度になります。
一方、ローコスト住宅は30~60万円の価格帯で販売されています。
では相場よりも安く販売することができるのでしょうか?
ローコスト住宅の実態!安いのには訳がある
ローコスト住宅が安い理由は、主にヒト・モノのどちらかのコストを削減しているからです。
具体的には、次のようなコストカットや価格設定が考えられます。
安いワケ①建築資材コストをカットしている
ローコスト住宅が安い1つ目の理由は、「建築資材のコストカット」です。
おもに、柱や梁に使われる「木材」や基礎の使われる「鉄筋」のサイズ・量を調整することが多いでしょう。
また安価な「断熱材」を使ったり、断熱性能が低い「窓サッシ」などが使われていることもあります。
たとえば柱について、どのようなコストカットが考えられるでしょうか?
木造住宅には、次のように「通し柱」と「間柱」の2つの柱があります。
一般的な木造住宅であれば、「通し柱」に使われる柱のサイズは120角(120㎜四方)、「間柱」は105角(105㎜四方)です。
しかしローコスト住宅では、すべての柱に105角が使われていることがあります。
120角と105角では木材の強度が違うため、次の図のように天井の高さに違いが生まれます。
この結果、ローコスト住宅では家全体のサイズがコンパクトになり、建設資材のコストカットが実現されます。
つまり、一般的な木造住宅よりも一回り小さな規格の建材を使うことで、建設コストが安く抑えられているということです。
安いワケ②営業・設計・施工管理の人件費をカットしている
ローコスト住宅が安い2つ目の理由は、「営業・設計・施工管理のコストカット」です。
まず前提として、家を建てるためには「営業・設計・施工」の3つのステージがあります。
- 営業・・・セミナー、資金計画、土地探し、プランニング
- 設計・・・基本設計、実施設計、仕様変更
- 施工・・・新築工事、引き渡し
一般的な家づくりであれば、営業マン・設計士・現場監督がお客さんのステージに合わせて付き添います。
しかし、それぞれのプロを雇うには人件費がかかり、住宅の販売価格も高くなります。
そこで、ローコスト住宅では営業マン、設計士、現場監督の業務や人員を減らすことで、人件費を削減しています。
たとえば「営業コスト」を削減している会社では、営業マニュアルだけで教育されて、現場をまったく知らない営業マンを雇っているケースがあります。
また「設計コスト」を削減している会社では、設計やデザインをなるべく規格化した商品を開発しているでしょう。
さらに「施工管理コスト」を削減している会社では、現場監督の数を減らして、1人の現場監督に複数の現場を同時並行で管理させているでしょう。
つまり、営業・設計・施工のそれぞれで「人件費」を削減することで、結果的にローコスト住宅が実現されています。
もちろん優良な住宅会社であれば、人材コストを削減するための仕組みづくりやマニュアルがしっかりと行われており、品質のトラブルが起きることはありません。
しかし「すべてのローコスト住宅がしっかりとした管理下で建てられている」と考えることは難しいでしょう。
安いワケ③設備をグレードを落としてオプションで本体価格を安く見せている
ローコスト住宅が安い3つ目の理由は、「設備のグレードダウンとオプションの設定」です。
設備とは、キッチン、浴槽、洗面台、トイレなどの住宅に必要不可欠なものです。
これらの設備は、建設会社が必要に応じて、設備メーカーから仕入れることになります。
このときローコスト住宅では、比較的安価なグレードの設備を大量発注することで、設備一つあたりの単価を抑えて仕入れています。
これは、いわゆる大量生産・大量消費によるコストダウンです。
そのため、設備を標準仕様から変更してしまうと、価格がいっきにはね上がることがあります。
さらに、オプションを細かく設定することで、オプションなしでの「本体価格」を安く見せるなどの工夫も考えられます。
このように、家を安く作るだけでなく、「安く見せる工夫」がされていると理解しておきましょう。
そして悪質な業者の場合、オプションの細かな説明をせず、契約を結んでから追加費用を請求されることもあるので、十分注意しましょう。
ローコスト住宅で後悔しやすい5つのポイント
これからローコスト住宅の購入を考えている方のなかには、「本当にローコスト住宅でいいのだろうか?」を悩んでいる方もいるでしょう。
すでに述べたように、ローコスト住宅は、コストカットや価格設定の工夫によって実現されています。
これらの仕組みを理解しないまま、価格だけを見て家づくりを進めてしまうと、次のような後悔や失敗につながる可能性があります。
- 失敗例①構造強度を無視した家づくりで災害のたびに不安を感じる
- 失敗例②住宅性能が低くて日常生活の不満が溜まる(暑くて寒い)
- 失敗例③トレンドのデザインばかりを取り入れて安っぽい家になる
- 失敗例④寿命の短い家を建てて20年後・30年後のメンテナンス費用が高くなる
- 失敗例⑤ランニングコストを含めた総額で損をする
ローコスト住宅で失敗しないためには、それぞれの失敗例を見ていきましょう。
失敗例①構造強度を無視した家づくりで災害のたびに不安を感じる
ローコスト住宅を建てるとき、最も注意すべきことは「耐震強度」です。
家の耐震強度は、心の安心感にもつながります。
間取りや部屋の広さばかりを重視して、構造をおろそかにした家では、地震が来るたびに「大丈夫かな?」と不安を抱くことになるでしょう。
特にローコスト住宅では、安価な構造材を使っていたり、重心が中心位置から大きくずれたような間取りになっているケースがあるため、構造についてしっかり検討すべきです。
具体的には、次のようなポイントを理解しておくと良いでしょう。
構造についての重要ポイント
- 耐震強度(耐震等級で判断すると良い)
- ダンパー(あればよいというものではない)
- 構造材の種類とサイズ(無垢材や集成材など)
- 偏心率(建物の重心のズレ)
- 直下率(1階の壁と2階の壁のズレ)
失敗例②住宅性能が低くて日常生活の不満が溜まる(暑くて寒い)
新築の一戸建てなら、賃貸暮らしよりも快適な生活になると考えている方もいるでしょう。
しかし残念ながら、性能の低い家では、賃貸暮らしよりも「不快な生活」になる可能性があります。
不快に感じるだけならまだしも、毎月の光熱費も上がり、住宅ローンと合わせて家計への負担が大きくなってしまう可能性も高いです。
特に「吹き抜けがある家・間仕切りがない家・大きな窓がある家」を建てる場合には、断熱性能や気密性能に十分注意してください。
具体的には、次のようなポイントを理解すると良いでしょう。
性能についての重要ポイント
- 断熱性能(UA値や断熱等級など、気密性能を合わせて考えた方がよい)
- 気密性能(C値など、断熱性能と合わせて考えた方がよい)
- 換気性能(24時間換気システムなど)
失敗例③トレンドのデザインばかりを取り入れて安っぽい家になる
新築住宅が安っぽくなるのは、避けたいですよね。
安っぽい家にしないために、特に注意すべきことは、「トレンドデザイン」です。
トレンドデザインとは、その時代に流行しているデザインのことで、近年の住宅ではリビング和室、シューズクローク、アクセントクロス、軒がない家、焼き杉板仕上げなどを該当します。
これらのトレンドデザインを取り入れることで、今っぽい家になりますが、年月とともに時代遅れになり、安っぽい家に見えてしまう可能性も高いです。
なので「トレンドデザインをどこまで取り入れるか」を考えることは、安っぽさを避けるためにとても大切なことです。
また他人に安っぽいと思われたとしても、見栄を張らず、自分たちが納得できる範囲で家を建てることも大切です。
失敗例④寿命の短い家を建てて20年後・30年後のメンテナンス費用が高くなる
住宅の寿命を伸ばすには、定期的な「メンテナンス」が欠かせません。
そして住宅のメンテナンス費用は、決して安いものではありません。
たとえばアットホームの調べによると、一戸建てのメンテナンス費用は、35年間でおよそ550万円、50年間でおよそ700万円と報告されています。
特に安価な建材を使っているローコスト住宅では、メンテナンス費用が高くなりやすいので、注意が必要です。
かつて「日本の住宅はどうせ寿命が30年だから、高い家を建てても仕方がない。」と言われることもありました。
しかし近年では住宅の平均寿命が伸びており、最長で100年住める家もあります。
なので、20年後30年後のことを考えると、メンテナンスがしやすく、費用が安くなるように計画することも大切です。
失敗例⑤メンテナンス・ランニングのコストを含めた総額で損をする
ローコスト住宅の購入を考えるとき、多くの方が「販売価格」だけで住宅購入を決めてしまいます。
しかし、一戸建てのコストは「イニシャルコスト」「ランニングコスト」「メンテナンスコスト」の3つのコストがあります。
つまり、住宅の販売価格だけを見て、住宅購入を決めてしまうのは、とても危険な行為と言わざるを得ません。
たとえばローコスト住宅と一般的な注文住宅の「50年間トータルコスト」をシミュレーションしてみると、一般的な注文住宅の方がお得になるケースも考えられます。
このように目の前に見える販売価格ではなく、総額(トータルコスト)で考えることも大切です。
ローコスト住宅で失敗しないために取るべき3つの行動
「ローコスト住宅だと後悔するかも?」と不安に感じるいる方も多いでしょう。
そんな方のために、住宅購入の不安を解消するための以下の3つの具体的なアクションを紹介します。
- ①第三者機関に依頼してセカンドオピニオンをもらう
- ②家づくりのタイミングを考え直す
- ③家づくりをトータルコストで考え直す
行動①第三者機関に依頼してセカンドオピニオンをもらう
ローコスト住宅で不安に感じたら、まずは第三者機関を積極的に利用してみましょう。
第三者とは、「住宅診断士」や「間取り診断」などのセカンドオピニオンのことです。
もちろん一部有料のサービスなので、絶対に必要なものではありません。
ですが、間取りや構造に不安を感じる方は、積極的に利用してみることをおすすめします。
行動②家づくりのタイミングを考え直す
ローコスト住宅に不安を感じる方は、「今家を建てるべきなのか」という問いと立ててみることも大切です。
家を建てるタイミングは家族それぞれで、自分たちにあったタイミングで進めることが大切です。
営業マンに急かされたり、他人の住宅購入を見て、「自分たちも!」と焦ってしまうのは良くありません。
たとえば、少し自己資金を貯めたり、転職や副業で世帯年収を上げることができれば、ローコスト住宅以外の選択肢も見えてくるでしょう。
なので、「住宅購入」についてもう一度スタートラインに戻って、タイミングを考え直してみましょう。
行動③家づくりをトータルコストで考え直す
ローコスト住宅を不安に感じる原因のほとんどは、「安かろう悪かろうな商品なのか」という気持ちから来るものではないでしょうか?
ローコスト住宅でも、相場の注文住宅でも、大手ハウスメーカーの高価格住宅でも、どんな住宅でも「良いものは良い、悪いものは悪い」です。
特に住宅は「高い買い物だから良い」とは言い切れません。
だからこそ、家づくりは「購入価格」ではなく「トータルコスト」で考えることが大切です。
トータルコストを考えるには、家づくりについて学び、費用の相場を知ることが有効です。
たとえば、住宅価格の相場やメンテナンスの期間などを理解することで、本当にローコスト住宅が自分たちにとって適した商品なのか判断できるようになります。
ぜひこちらの記事を参考にしながら、家づくりの基礎知識を身に着けて、良い家を建ててください。
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まとめ
今回は「ローコスト住宅で後悔・失敗しやすいポイント」について詳しく解説しました。
こちらの記事の内容を簡単にまとめます。
ローコスト住宅とは
相場の価格よりも安価な住宅のこと
ローコスト住宅の実態!安いのには訳がある
- モノを安くする工夫・・・建築資材のコストカット
- ヒトを安くする工夫・・・営業・設計・施工のコストカット
- 価格を安く見せる工夫・・・設備のグレードダウンとオプションの設定
ローコスト住宅で失敗しやすい5つのポイント
- ①構造強度を無視した家づくりで災害のたびに不安を感じる
- ②住宅性能が低くて日常生活の不満が溜まる(暑くて寒い)
- ③トレンドのデザインばかりを取り入れて安っぽい家になる
- ④寿命の短い家を建てて20年後・30年後のメンテナンス費用が高くなる
- ⑤ランニングコストを含めた総額で損をする
ローコスト住宅で失敗しないために取るべき3つの行動
- ①第三者機関に依頼してセカンドオピニオンをもらう
- ②家づくりのタイミングを考え直す
- ③家づくりをトータルコストで考え直す
福山市で注文住宅の予算にお悩みの方へ
福山市の家づくりで、土地探しや住宅会社選びに悩んでいる方は、ぜひこちらも合わせてご確認ください。